気付いて、考えて、忘れて。
多日岡 月嗣
『水面』
川に石を投げる。
ぽちゃん
音が鳴る。
ぽちゃん
波紋が広がる。
ぽちゃん
どこまでも平らな板のような水面が揺れている。
ぽちゃん
鏡に写ったような自分の顔が揺れている。
自分の心のように揺れている。
なるほど。水面とは、鏡よりも良く自分を写すものなのかもしれない。
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