独り言をそのまま言葉に表す練習

@AlSKTm

第1話

私の趣味。それは「スポーツ観戦」である。

特に好きなスポーツの1つが「野球」である。

私はあまり運動が得意な方ではないと思っている。自分自身が野球をした経験はほぼ0と言って良い。


しかし、観るだけなら私にも出来る。TVで試合の模様を観戦する。スマートフォンで試合の経過を調べる。PCを試合の結果や選手の情報を収集する。

こういったことであれば私にも容易に行える。事実、これらが私の日課の1つとなっており、日々欠かせないものとなっている。


いわゆるなんJ民というものでは?という問いについてはまぁここでは置いておこう。


そんな野球好きの端くれである私が応援しているチームがある。「読売ジャイアンツ」だ。

ご存知、日本で最も歴史のあるチームであり、球界の盟主との呼び声も高い強豪だ。

当然ジャイアンツのファンは私だけではない。むしろ日本の野球チームで最もファンが多いのではないだろうか。


さて、このようにチームを応援する理由とはどういったものがあるのか。


例えば「強いから」

例えば「好きな選手が居るから」

例えば「自分の地元が本拠地のチームだから」


などなど。


理由は様々だろう。個人的にはどれも素敵な理由だと思う。


では、私がジャイアンツを応援する理由は一体何なのか。


ずばり。


「アンチが多いから」


である。どういうことか。

言葉通りだ。ジャイアンツはファンだけではなく、アンチも非常に多いことで有名なチームである。

チームを好きになる理由が多種多様であるのに対し、チームを嫌いになる理由も多種多様だろうと思う。

ただ、どんな理由であろうとファンはチームの勝利を願い、アンチはチームの敗北を願うのだ。


そして私は、ジャイアンツの敗北を願うアンチ達が悲しみ、吠え面をかく姿が見たいと願っている。

さしづめ、ジャイアンツのアンチのアンチといった所である。我ながら普通のアンチよりもずっとたちが悪い。


私のこのひねくれた性格は野球に限った話ではない。


野球以外に好きなスポーツが「競馬」である。むしろ競馬がこの世で最も好きなものなのだが、これも今回は置いておこう。


日本の競馬界で最も有名な人物といえば武豊騎手だ。私は武豊騎手のファンである。

その理由は「沢山勝っているから」でも「上手だから」でもない。

「アンチが多いから」である。


武豊騎手は数年前に大怪我を負い、かつてない程に成績が落ち込んだ。

当時、私の耳に届く範囲では応援する声よりも、「武はもう終わった」「このまま引退だろう」などの声が多かった。

これをきっかけに、私は武豊騎手を全力で応援するようになった。

久々に武豊騎手がGIを勝利した際、あまり有力視されていない馬に乗っていたにも関わらず自信を持って本命にしていたことは今でもはっきりと覚えている。


大勢が否定的な意見を言うのなら、私は肯定的な意見を持つ。


私は「アンチのアンチ」なのだ。

「否定を否定する」のである。


大勢でなくても、面と向かって否定されれば徹底抗戦を仕掛ける。


自分の提案を上司に批判されれば、その提案の良しあしに関係なく無理やり押し通してやろうと画策する。


会話をする時に必ず否定から入る人物は勿論大嫌いだ。


要するにただのへそ曲がりと言って差し支えないだろう。


そんな私はこれからもジャイアンツと武豊騎手を応援し続けるつもりだ。


それだけでなく、世間で広く批判・否定されている人物や団体を支持することだろう。


そんな私の人生を否定していただいても構わない。


その否定は私自身の意思をより強いものにしてくれるに違いない。


何故なら私は「否定を否定する」のだから。

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