一月十七日

『今日の感想』


自分はコロナに罹ってはいませんが、学校が休みになり、そして進研模試が高校で受けられない可能性が高まってきました。


校内模試で失敗し、進研模試でも失敗し、英検二級の一次でも失敗したとしても立て直せるような勉強への関わり方を再度意識してみようと思います。




「雨石くん、努力......してますか?」

「“してるぞ!”と威張れるほどの努力はしておらず、むしろ過剰な怠慢が目立ちます」

「どうして、今、悲しくて校内模試の解答用紙返却後の喧噪な教室で泣きそうになっているか分かりますか?」

「テスト本番で力が発揮出来なかったことを悔やんでいる。だけどこれはいつものことだと思います」

「では、どうしていつも力が発揮できていないと自欺するんですか?」

「努力と怠慢を重ねた日常行動の成果が少しぐらいは出るだろうと浅はかな考え方をしているからだと思います。だって、どう機械になろうとしても、結局自分はエスに勝てず、逃避や補償を重ねるだけじゃないですか」

「エスに勝てないのはいいのです。話は変わりますが、雨石くんはどんな行為が好きなのですか?」

「自分を表現する行為です。このようにキーボードを忙しく叩いているのが心地いいのです」

「勉強、嫌いですか?」

「嫌いです。ただ、勉強しないのはもっと嫌いです。だから中途半端に(偏差値が低い高校だから)出来てしまって、それに驕りを感じ、自分より劣っている生徒、騒ぐ生徒を見下すのです」

「面白いですね。雨石くんは」

「ああ、まぁ確かに。自分でも乾ききった笑みが浮かんでいるのでそこそこじゃないですかね」

「失望しました」

「ありがたいです」


「自分は勉強したいけど、勉強出来ませんし、多分これからも勉強出来なくなってしまうはずです。勉強が出来ないのは、時間の問題でもなければ、荒んだ高校での周辺環境の所為でもありません。自分の問題です。ぼくはどうすればいいのか分かりません。ただ、遠くにあるのは自分の設定した輝かしい目標のみ。ぼくはそれに泥を塗って、それでもっとダメになって、それでも生きてしまうんです」

「それは辛いかもしれないです。電車とか車とか殺人鬼にでも殺されて異世界転生したり、明日から超能力者になれたり、美少女が学校に転校してきて勉強を教えてくれたり、高校受験をやり直せますが(想像上で)逃げますか?」

「逃げません。それは叶わないから美しさがあるのですから、変えたくありません。もういいです。生きていくしかないんです。仕方ないんです。なんか今すごく苦しいです」

「ですよね。もういいですか?」

「はい。もういいです。ぼくはここで生きる事を望んでしまった、生きてしまったのだから勉強は......やらなくてはいけません。だから―――自分は怠慢を殺します」




真摯に向き合うべき。「逃げちゃ駄目だ」ではなく、「逃げても仕方ない」と合理化すべき。


ぼくは、なんだ。勉強すると決まっている人間、か。

その先に何を目指すのだろう。作家仲間と過ごせる楽しいひとときとか、将来の希望とかでもいい。

逃げる思考をやめれば、ホントは無欲でなにもしたくない自分の本質が見えてくる。

でも、それさえも自己欺瞞であると信じたい。

そうでなければ、自分はどうして生きてきてしまったのか分からなくなる。

なぜ、この15年間をまともに過ごせてきたのか分からなくなる。


一生、飢えに苦しみ、満たされない渇望に絶望しながら生きていけばいいんだろうな。


だから、常に絶頂。いつ死んでも問題ない。


さあさあ、勉強しよう。それが自分を満たすであろう唯一の救いかもしれない行為なのだから。


ではまた。

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