第30話 『設定をいったん振り返ります』

ご愛読ありがとうございます。


今回は折り返し点ということで、そろそろ忘れかけている物語の設定やら背景やらを振り返ります。「かったるいわ!」とおっしゃる方もおられるかと存じますが、明日からまた普通に更新いたしますのでご容赦ください。


#### 物語の舞台 ####


<大陸と文明>

イスファハン王国、共和国連邦、帝国が覇を競っています。

いわゆる「剣と魔法の世界」というやつですね。

大戦で遠い昔に滅んだ「旧世界」には現代同様高度な科学文明があった模様で、ファリドが好きな科学書は旧世界から語り継がれ、写されてきたものです。

「旧世界」が二十一世紀の地球だとイメージして頂くと読みやすいかもです。

王族以外には、姓がない設定です。「〇〇の子、△△」という中東風の名乗り方になりますね。


<統治体制など>

政治や国家の体制……爵位とか軍制とか……は、ヨーロッパ中世の設定をベースに、ちょっと現代風の部分も混ぜています。

まあ、仮想世界ですから時代考証の揺らぎなどは、大目に見てください笑。


<イスファハン王国>

※ペルシア風の地名や人名を借用しておりますが、歴史上のペルシアとは何の関係もありません。

王国は大陸の中央部に位置しており、王都、副都、三都、海都という四つの大きな都市が発展しています。

本編に出てくるのは王都カラジュ、副都アスタラ、三都アズナだけです。

 王都:その名の通り王国の首都。

 副都:かつては王都以上に栄えていたものの、十年ばかり前の戦争で荒れ、復興途中。

 三都:王都、副都に次ぐ規模の都市で、ファリドとフェレが出会った街。


<この世界の単位など>

貨幣:ディルハムとディナール。一ディルハムは百ディナール。この下の小銭もありますが、話には出てきません。

およそ、一ディルハムが現代の一万円くらいの感覚でよろしいかと。

長さや時間:旧世界の単位が残っています。長さはメートル。時間は一日二十四時間制ですね。

暦も一年三百六十五日とちょっと、一月はおおむね三十日。


<冒険者>

いわゆるファンタジー小説によくある自由業であります。解説不要ですね。


<ギルド>

ファンタジー小説で一般的な「冒険者ギルド」であります。

こなした依頼に応じて銅の鷲をかたどった肩章が増えていき、銅が五個+いくつかの条件をクリアすると金の鷲がもらえます。

金の鷲が五個になると、「英雄」と呼ばれるようですが、その数は極めて少ない模様。

但し、知恵働きを認められた者には銀の鷲が別途与えられて、魔術が使えれば「賢者」、使えないと「軍師」と呼ばれます。賢者なら引っ張りだこですが、軍師は・・


<互助会>

百人の組合員が十年間、稼ぎの三割をギルドにプールし、満期に生き残っている者で山分けというバトロワ的貯金システムです。

折り返し以降は、このプール金の奪い合いで、お話が展開してゆきます。



#### 人物紹介 ####


◆ファリド◆

ファンタジーの主人公であるにも関わらず、剣の達人でもなく、魔法も使えず。超絶美男子でもなく、転生もTSもなく、ましてやチートなんか縁がないという、たいへんたいへん華のない、地味な地味~な設定です。

副都生まれ。少年時代に戦火で故郷を離れ、冒険者稼業は八年ほど。折り返し時点で二十三歳です。

傭兵稼ぎをしていた時代にたまたまナイスな献策をして王国軍に勝利をもたらしたため、銀鷲の肩章をゲットし十代で「軍師」の称号がつきます。

普通の「冒険者」がやりたい本人はたいへん不本意。

「軍師」という中途半端な職名のおかげでなかなかパーティに入れてもらえず、やむなく?追放組のフェレを拾ってパートナーに。

一応「中の上」から「上の下」くらいの容姿を持っているのですが、本文中でその姿が描かれることはありません。女性経験はまあぽつぽつあるのですが、基本はご商売の方と・・が中心で、まっとうな恋愛はやや不得意。

主武器はシャムシールという曲刀、副武器は短弓です。刀術は十人で競ったら安定の二番手・・抜群に強くはないです。本人もそれを十分理解しています。

読書が趣味ですが、「軍師」になってから生活のための義務に変わりつつあります。彼の本当の主力武器は、本からの知識と、頭脳なのですから。


◆フェレシュテフ(フェレ)◆

発する言葉が少ないので、出番も活躍も少なめの、ぼっちヒロイン。いつもワンテンポ遅れてしゃべります。

父はアフワズ州の領地持ち騎士階級なので一応「お嬢様」なのですが、登場時点では生活レベルも見た目もとっても残念。

きちんとおしゃれさえすれば、黒髪に蒼い瞳の小顔スレンダー美人。スレンダー……まあストレートに言うと、貧乳ちゃん。

折り返し時点で二十二歳ですが、童顔のためハイティーンに見えるというお得な人。

とにかく妹大好き。妹の不治の病を神様の「奇跡」で救うべく、教会に寄進するカネをためるため冒険者をやっています。

すべてのカネを妹につぎ込んでしまうため、衣食住すべてが極貧。ほどなくすべてをファリドにタカるようになります。一応申し訳なさそうな顔はするのですが、絶対にカネは出しません。

純情&色白ちゃんなので、ちょっとイジられるとすぐぽっと桜色になります。但し、男の視線には極めて鈍感……実に残念であります。

主武器は魔術師に似合わぬ鋼の棍棒でしたが、ファリドの勧めでシャムシールに即決チェンジ。才能を開花させつつあります。

タダ飯を食わせてくれるファリドに懐きまくり、何を言われても信じるようになる、実にちょろい奴です。

趣味は……やっぱり妹だったりします……。

魔術は折り返し地点にて、「身体強化」しか使えません。ようは戦士なのですね。


◇ダリュシュ◇

アフワズ州の小さな村メフリーズを領地とする騎士で、フェレの父。磊落な性格。

妻ハスティとは婚前交渉をやらかしてフェレが出来たらしいです。

初対面からファリドを気に入ってしまい、婿に取ると決めてかかってます。


◇ハスティ◇

ダリュシュの妻、フェレの母。

押しは強いが、一家のうち最も常識人です。

あくまで……比較の問題ですが。


◇アールアーレフ(アレフ)◇

フェレの妹。

髪と眼の色が違うほかは、フェレそっくりの美少女。折り返し時点で十八歳です。

不治の病に冒されています。薬師も治癒魔術師もすでにサジを投げているようです。

ベッドから離れられない分、本をたくさん読んでいるらしいです。その手の小説ばかり読んでいるせいか、なんでも恋愛に結び付ける傾向があったりします。

容姿端麗、性格も人懐こく、だれからも好かれるタイプ。フェレと違ってお口も達者です。


◇カシム◇

中年ハゲ。

現役時代は金鷲三個佩用の上級冒険者で、引退後は三都ギルドで相談役っぽい幹部をやっています。

追放組のフェレをファリドにくっつけたり、二人に初仕事を世話したりと、何かと絡みます。


◇アリアナ◇

二人にとっては初仕事の、依頼主。一応伯爵夫人。

上品ではあるが、ウラがありそうな雰囲気を出しまくっています。

折り返し以降もなんだかんだ出番があります。


◇ネーダ◇

アリアナさんの侍女です。

可愛いですが考えなしのしゃべり過ぎで品がありません。

フェレと年齢が近く、おそらく初めての友達?になります。


それでは、折り返し後半を、お楽しみくださると幸いでございます。

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