孤独を知らないからと笑われた

だから一人で居られるのだと嘲笑する

そうかもしれないと

ふんわりと思っていた


愛しい人に抱かれながら

知らなかったのは孤独ではない日々だったのだと

この暖かさを知らずにいたから

孤独も知ることがなかった


知らないものは失いようがない

無ければ無いことにも気づかない


愛を知って

孤独を理解するのだと

ようやく学んだのに


やってくるのは

穴が空きそうなほどの孤独


こんなにも満たされることがあり

こんなにも尽きることがあるのか


ほしくないと想い

だが、求めてしまう


幻のような幸せに手を伸ばし

宙を掻き孤独を感じる

愛を知ったことは悲劇ではなかったか

幸せだった日々さえ否定したくなる


幸せとは呪いだったのかと

穴の空いた心を抱えたまま

ただ、毎日を過ごしている



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