景色

屋上から見る景色はとてもきれいだった

自分の悩みなんて

ちっぽけなのだと思った


だから、きっと苦しいままなのだろう

少しほつれた服の裾のような

なおす必要はない、ただ少しの傷跡

隠してしまえば

誰からも見えない


だから、このままなのだろう

例え飲み込め無いほどの大きさだと

自分が感じていても

大きな世界から見れば

気にする必要もない小さなもの


ここから落ちたとすれば

せめて汚れくらいにはなれるだろうか


馬鹿げている

それこそ水滴が跳ねるようなもの

永久などいらないほどに

乾いてなくなる


消えてしまいたい

なのに、何かを遺したい

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