あっちもちどり、こっちもちどり

うっふ、えっふ、と歩いているのは

三十過ぎの声たおっさんだ

はぁはぁはあと歩いているのは

学生だろう、絵らしきものを持って

この夜は二人の緩やかな足取りでできていった。

お互いに興味はないので

このおっさん、飲み会のあとかよ

学生は何も考えず生きてていいなと

さげすみ会ってて

二人はすれ違った

何も言わず

何も変わらず

汚いおっさんだなあ

まあまあこぎれいのヤツだなあ

足をはやめる

オー振られたか

そのまま俺はコンビニへ

おかしなおじんから顔されて未来の画家じゃあ流記だし

夜中のおかげで聞こえるじゃ鈴虫の子

じゃじゃ、という足跡

あの親島と振り向いた、そこにはキラリと光るなにか

あっちもちどり、こっともちどり

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