第16話 有給取得に向けて
如月明日香は有給が溜まっていた。
消化しなければ無くなってしまう。
課長に申請して休みを取ることにした。
「あ~。如月くん。有給たんまりあるね~。ゆっくりするといいよ~」
申請はすぐに通った。いい機会なので日本(下界)にでも行ってみようかなあ。
「あ、如月くん。今日くる宮崎さんね、案内してほしい異世界があるんだよね」
といって、書類を渡される。
「異世界Guardiansverse。ここの消滅神が直接指名!?宮崎さんを?」
「うん、そのようだね~。だから、うちに来たら、そのままGuardiansverseに転移させてほしいってさ」
「わかりました。珍しいですね。神様からの指名なんて」
「ん~。たまにあるよね。上からの指示ってことで、頼むよ如月くん」
またもや上からの指示か。最近多いな。どうしたんだろ。
日本人というのは、転生に対して他より歓迎されやすいってのはあるけど。
「ンあ?ここはどこ?」
「いらっしゃいませ宮崎さま。こちらは異世界転生課です。貴方はこれから、異世界Guardiansverseというところに転生させられます」
「どこそこ?」
「剣と魔法の世界だそうですよ」
「だそうですよ?又聞きなんですか!?」
「はい。宮崎さまはその世界の神に認められて、このたび転生ということになりました」
「そうなの?そっか。僕なんかでも認められることがあるんだね」
「どうやら、あまりの不運さに、消滅神さまが不憫に思ったとか」
「あー、うん、そうだね。僕の一生は不幸不運の連続だったよ」
手元の資料を見るだけでも相当な不運持ちだ。もはやスキルなんじゃないかと思うほどだ。試験になぜか遅刻は当たり前、修学旅行には必ず何かよくないことが起きて行けず、高校三年生で不治の病で他界した。
「宮崎さまはこの転生課でのことは記憶から消されます。あとは現場の消滅神さまからご説明があるそうですので、そのまま転移してください」
「転移って?うわああああああ」
足元に大きな穴が開き、宮崎さんを落としていった。
「今回は私が案内する内容が大してなかったなぁ」
手元の梅酒ロックを転がしながらため息をつく明日香。
「いいじゃない。向こうがそれでいいって言ってるんだから」
「神様からの依頼じゃ、しょうがないよねェ」
「ほんとね。あ、ねえ、私も有給使って日本いってもいい?」
「あれ?もう課長から聞いたの?」
むしろ一人でいくより楽しい。
ぜひ一緒にいこうということになった。
次回、日本でバカンス。
※今回イベント企画で異世界名を使用させていただいたのは、
GuardiansNovelUniverse
作者 競馬好き さま
https://kakuyomu.jp/works/1177354054917289222
消滅神さま、うちの宮崎さんを、どうぞよろしくお願いいたします。
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