もう一度夫婦になる。

私の父と母の話。


父にとっては初めての親類の男の子。


そりゃもう孫を可愛がる。


実家に連れて行けば、率先して抱っこするし、

自分の食事を後回しにして

欲しがる孫にご飯を食べさせる。


それもあんな楽しそうに。


息子は、よく食べる。

ひな鳥がエサを待つように、

スプーンを出すと

大きな口を開けて、待ってる。


その姿が愛らしい。


求められてるって誰でも嬉しいよね。


そんな愛おしさ満載の孫に

おじいちゃんはデレデレ。


自分も大きな口開けてご飯をあげる。



それを見ながら、料理の残りや片付けをする母。



『自分の娘の時は、何一つお世話しなかったのに、ちゃんとできるの?』



『あぁそうじゃない。そうしたら危ない』


『あぁ早く拭かないから顔にご飯ついちゃった、遅い』



そう思って見てるのが、側から見るとよく伝わってくる。



子育てもひと段落ついて、仕事もだいたいキリがついて、

お金も時間にも余裕が出る頃、孫の誕生。


子供が親離れして、親子というより、対人間として接しつつある今日このごろ。


お互いを、お父さんお母さんと呼び合い20年30年。


夫婦として接することがほぼなくなってきてたんじゃないかな?



孫の誕生により、夫婦の関係が再開した。


気付けば【子供たちのお父さん】としてみるのではなく、【孫のおじいちゃん】としてはまだ早すぎて実感湧かず、【自分の夫】として見てる。


孫の誕生により、行事も再開した。


孫の成長と共に、また一から楽しめる。


今度は余裕を持って。


息子よ、あなたは本当にすごい。


どれだけの人を幸せにしてんだろう。



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