第27話イベント終了

8月14日

イベント最終日だ。


というよりイベント終了1時間前…つまり、8月14日の夜23時だ。


俺たちは家で宴会まがいのことをしていた。


宴会と言っても、いつものパーティーメンバーにマリヨン、花音、そしてサピがただふざけているだけだが。


4日前から花音のスキルのレベルアップと、グローホムンクルスの進化によって、一気に効率が跳ね上がり、イベントポイントが累計で20,000になった。

ちゃんと切りがいい数字になるように微調整したことは言うまでもない。


グローホムンクルスはもともと店においてあるマネキンのような見た目をしていたのだが、進化したことによって、人間味が増した。


鎖骨や筋肉の形がついていて、色が真っ白でなかったのであれば少し隠せば人として通せる。そんな見た目だ。


顔も、ホラゲーに出てきそうな凹凸、鼻や目のクビレや耳すらなかったが、進化のおかげで、彫りや耳が、より人間らしい形になったので、もう怖くはない。


一回呼び出したとき、トイレ行って帰ったときにガチでおばけかと思ってしまったからな。

骨格は男性か女性かで言えば、どちらかと言うと女性のような背格好をしている。

もっと進化したらどうなるのか思春期男子として、凄く気になる。



「お兄ちゃん!あと5分だよ!」


花音が声をかけてきた。

ふと時計を見ると、時計の針が23時55分を指していた。

あと5分でイベントが終わり、順位が発表される……と思う。


順位なんて見ればいいだろと思うかもしれないが、1週間前から、順位が見れないようになっていたため、自分の順位がどれくらいなのかはわからないのだ。

やるからには1位を取りたいところだが…


まあ、結果は見てのお楽しみだ。


俺はあと秒針が4周するのをじっと見つめた。


俺はこのイベントが終わったら、イベントptを使いあるものを買いたいと思う。

それは、デバフ封じの腕輪で、自分にかかるデバフを一時的に無効にしてくれるアイテムだ。


代償は魔石。20分間100こ消費するのは痛いが、僕の命には変えられない。

外に出るだけでは別に死にはしないよ。一回外に出てるし。


「10秒前」

『9、8,7,6,5,4,』


『3』


『2』


『1』


「0!!」


俺のゼロが木霊した。

「なぜ誰も0を言わない‥」


目の前に突然ステータスボードが現れ、今回のイベントが表示され始めた。

ちなみに1000位からダイジェストだ。


「サピ!」

『勿論!モチのロンです。』


その人が所属している国、及び、一部地域。地域は広い国、アメリカ、カナダ、中国、ロシアなどが、州ごとで表示されていく。

ちなみに1000位の累計ptは500で、やる気あんのか?と思った。


どんどんと順位が表示されていく。



残り十秒だ。


ダカダカダカダン!!と効果音付きで一人ずつ表示されるようになった。

未だに僕たちの名前は見つからない。


『3位』


ダカダカダカダン!!


『イギリス_ポイント5200pt KFF』


このような形で名前のファースト、ミドル、ラストの1文字目だけ表示される。


『2位』


ダカダカダカダン!!


『日本_ポイント16583pt 雨花』


花音が写っていた。

雨宮花音だから。


『1位』


ダカダカダカダン!!


『日本_ポイント20000pt 雨蒼』


無事一位を取ることができた。


その後、そのままのテンションで一夜を明かした。



。。


後日、イベントptを1万使って買ったデバフ封じの腕輪を使い、そこそこ離れたホテルを一日だけ借り、


__ヌいた


しょうがないだろ機会がなかったんだから。


_________________

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