第31話 恐ろしい事実に気づいてしまいました!
「え~と…エリー嬢はあの【ピンクギドラ】に何か心当たりがあるのかな?」
エリー嬢は『しまった!』という様な表情をしている。よく見ると彼女だけでなくケイト嬢も若干顔色が悪い。
「どうされましたお二人とも?」
「じ…実は以前、今回と似たような事件がありまして…… 」
と顔を引きつらせながら話すエリー嬢。
「なんとな~く嫌な予感がしてはいたのですがつい先程、その嫌な予感が当たっていた事が判明致しました。」
そう言ってターク嬢が私に見せてくれたのは、干涸びて黒くなった巨大な三つ首の長い物体でした。
よく見たら、まだ他にもいくつか転がっている様ですね。
え~と、似たような事件?
ウ~ンそれってもしかして、七年前に現れた【三つ首サンドワーム(※1)】の件ですか?
『【勇者シルバーのパーティー】によって全て倒された。』
と聞いていたのですが、どうやら他にもいた様です。
おそらくですが……
エリー嬢とターク嬢(当時11歳)の作った殺鼠団子を【ノーネズミ(※2)】が食べる。⇒そのノーネズミを【サンドワーム】が食べて巨大化&三つ首に変異。⇒更にその【変異サンドワーム】を【ピンクギドラ】が食べて更に変異。
という食物連鎖が起こったのでしょう。
【勇者シルバーのパーティー】が倒した【変異サンドワーム】は、その一部だった訳ですね。
むしろ今まで、誰も気がつかなかったのが不思議でしょうがありません。
あんなのが王都近郊に隠れていたなんて!!
結果的に一応、【勇者シルバー】によって【ピンクギドラ】も倒された訳ですが、次が無い事を祈るばかりですね。
あんなのが何匹も居たら、この国どころか大陸ごと無くなりそうですよ!
ところでこの【ピンクギドラ】の巣穴…どこまで続くのでしょうか?
まだ先が見えません。
暫くすると巣穴がだんだんと狭くなって来ました。と言っても“あの”巨大化した【ピンクギドラ】が通れないだけで、元の大きさなら充分通れそうです。
「殿下、探索を命じた冒険者達が来たのは、この辺りまでです。」
一緒に来ていた第三騎士団の副団長が、そう説明してくれました。確かにこの先の地図は、報告書ありませんね。
まぁ、彼らの報告はあまりあてになりませんけど……
暫く進むと行き止まりになっていましたが、崩れたのは最近ではなさそうです。
「あ、お嬢。この向こうに人が居る。」
おや?ラック(大型犬)が人の気配を感じた様です。
あ!こっち見て睨んでます!!
私が【大型犬】と思っているのがバレたのでしょうか?
別に獣人を馬鹿にしている訳じゃないですよ!
ただ…私の【番】のはずのターク嬢が、ラック(大型犬)の方ばかりかまってこちらを見てくれないから、寂しいだけで……
それはともかく、崩れた土砂の向こうに人がいるという事は、閉じ込められているのでしょうか?
するとエリー嬢が土砂に近づき、向こう側の人に呼び掛けたのです。
「すみませ~ん!誰かいらっしゃいますか~?
居たら返事して下さ~い!」
「あ!姉様、駄目ですわよ!勝手な行動しては!!」
エリー嬢の呼び掛けに、反応がありました。
「いる!いるぞ!!もう7日も閉じ込められてるんだ!!」
「「「「早く助けてくれ!!」」」」
7日も閉じ込められている割にお元気そうですね。
声からすると中年の男性達でしょうか?
「私達は、“ギルドの方から来た者”です。そちらは?何人いらっしゃいますか?」
「5人だ。まさかこっち側から救援が来るとは、思わなかったぜ!」
するとラック(大型犬)が小声で正確な人数を教えてくれた。
〔違う。40人は居る。〕
多過ぎるでしょ!その人数ですとクランですよ。
クラン全員でクエストに出る事なんてありませんから、確実にあっちの方の方々でしょうねぇ。
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※1
国立ユイナーダ学園シリーズ⑩
【不思議猫使いケイトちゃん】参照
※2
ネズミ型の魔獣。
群で生活している。
キングノーネズミが群を操ると、災害級の被害をもたらすので、見つけ次第討伐する事が奨励されている。
ケイト嬢の飼い猫、【勇者シルバー】はキングノーネズミの幼体を倒して白金貨10枚の報奨金を貰った。
☆ストックが切れました。更新スピードが遅くなりますので、ご了承ください。
☆宣伝です❗️
今作、の1年前が主な舞台の話、国立ユイナーダ学園高等部シリーズ⑦の続編、新作【どうやら俺はただのモブではなかったらしい!〜フラグは折る為にある!】{ドラゴンノベルスコンテスト応募中!10万字超えるまで、1日3話くらい更新❗️}
も宜しくお願いします❗️
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