第15話- 和室

その部屋に一人だけ、広すぎる部屋に一人だけ。


夜も更け月明かりの中、畳に伸びる自分の影、冷たい外気に肩をすぼめ、

虫の声も途切れて重すぎる静寂のなか、部屋の中には、自分だけ。


どうにもならない孤独から、逃れることもできず、こぼれた声は宙に拡がる。


何故ここに来た、たった一人で。

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