第12話 神々たちの転生物語

マグマやドラゴンや怪獣達がバトルする 凛の新世界創造を見て興奮した神々の中には 自ら転生したいと考えるものが続出した。


「今まで 神というのものは 人を通してしか存在できぬと思っていたが

 何の我らとてエネルギーが形になって残っている存在であることにかわらぬ。

 ならば 人の人生を眺めたり 人の人生の世話をするよりも

 自らはっちゃけて最後はエネルギーになって自意識を手放してもよいではないか!」


神様のコペルニクス的転回である。


そこで 放棄されていたいくつかの世界 それは死に絶えた世界でもあったのだが

そこを利用して 悪魔嗜好(志向どっちもある)・悪神・邪神とされて肩身の狭い思いをしてきた神々が 鬱屈した思い・自らの中にたぎるエネルギーを存分に発揮して暴れまわることにした。

 その時に発散されるエネルギーを、すべて純粋エネルギーとして収集することになった。


破壊神たちが放つエネルギーを集める役目はアマテラスが引き受けた。

エネルギーを放出しきった神たちは満足して、心穏やかに転生待ちの魂の仲間入りをして 凛の新世界にいくことにした。

 「もはや神でなくていい。世界の一部として凛が作り出す世界の一部になりたい」と心から思ったからである 



一方根っからの 天地創造が大好きな神たち、でもアイデアが枯渇して 人間をスカウトしては適当に代理をやらせては「つまんなーい」を連発していた神々は

凛の素材の持ち味を活かす天地創造方式にバリエーションを持たせたいと考えた。


その者達はアモンを呼び出した。

神1「ポケモンに転生したい魂たちと 旧世界の残骸を使って ポケモン世界をつくらせよ」


アモン「それって 中途介入にあたるので 凛との契約に反しますね」


神2 「そこをなんとかするのが お主の役目じゃろうが」


アモン「そんな話 聞いてません! 私はあくまでも凛のサポート役」


神3 「言葉巧みに誘えばよいではないか」


アマテラス

「我らが凛に求めしは、大量の廃棄物(=あふれる魂)を完全燃焼させて純粋エネルギーにかえることと、分散し汚れ切ったエネルギーの塊(=疲れた魂)を純粋エネエルギーとして回収する(=昇華させる)ことだったではありませんか。」


「そして この疲れた魂の浄化と昇華課程を 我ら神をも満足させる面白きものにしてみせよというのは あなた方の勝手な要望にすぎません」


神1 「えーいわかったわかった。我らが自ら魂たちに話しかけ ポケモン世界をつくればよいのだろう」


神2「アマテラス 我らにエネルギーをよこせ。新世界を創造する」


アマテラス

「凛は 実に巧みに 効果的に 疲れた魂たちを燃え上がらせ 満足のうちに昇天させて純粋エネルギーにかえています。

 そこに 余計な介入は不要!」


神4「そもそも我らは 見て楽しむために人間達を操り人形の如く扱いすぎた

   その結果が うす汚れて疲れ果てた転生待ちの魂の群れであろうが」


ゼウス

「我ら神が 力の限り生きて争えば 世界が壊れる それゆえ人間に代理の生を享受させ代理戦争をやらせることにした。あのころは 世界はひとつきりだった。


 しかし今や 神の数だけ壊れた世界の残骸がある

 人は 神の手をはなれ増殖し続け 半端な魂の残骸が積みあがった。」


神5

 「凛が 世界そのものを再生可能な存在と定義したことにより、壊れた旧世界で

我ら神が存分に生きて暴れて放出したエネルギーを 世界の再生に回し、我ら神にも単なる魂として転生の列に並んで昇華しきる道が開けたのだ」


神6「神とて 不老長寿に飽きることはある。完全燃焼したいものよのう」


ゼウス

 「神1~4よ、お主たちの取り分はない。 欲しければ自分達のエネルギーを注げ

  アマテラスが回収した分は 純粋エネルギーを放出した神々の意向により

  あの者達が転生する予定の新世界の創造に使われるのだ」


神2「あの小娘が回収したエネルギー分があるではないか」


アモン「それは 我ら神の命のみなもと(生存エネルギー・活力源)として公平に分配されています。

    あなた方の自己満足の遊びにために浪費することはできません」


・・・図らずも 神の恐ろしき裏の顔が曝露された一幕であった・・・

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