第7話 燃えよ ドラゴン!

「募集することそのものは悪くない。応募者がいるとは想わんが」


ところがいたんだよねこれが。


「あの世」にひしめき合っていた魂の群れ

転生することすらあきあきしてひしめいていた魂たち


「ピンポンパンポ~ン 新世界への転生受付のお知らせ。

  今回の創造主からの勧誘をお聞きください」 神々の国での一斉放送にて


「初めまして 凛ちゃんでーす!

 この度 新世界創造主に選ばれました。

 どうぞよろしく~!」


アイドル風にミニスカで手をふってみた。

 髪はショートボブ ふんわり内巻き。ミルクティー色♫


「この新世界創造は 皆さまの転生先を用意するためだって知ってました~?

 私 今まで全然知らなかったんです。

 知ってた人手を上げてー」


「あれー みんな首ふってるー。 てことは みんなも知らなかったのねぇ!」


「そうだ」「そうだ」 こぶしを振り上げてシュプレヒコールを上げる一団


「というわけで 一人でも多くの人が転生できるように 今回は 無生物・無機物にも転生できるようにしました~!」


「なんとなんと 溶岩と水蒸気の時代 地球創成期から参加できるんです。

 原始の地球に行って見たい人 手を上げて~!」


「はーい! いや死ぬは嫌だぞ~」


「だいじょうぶ!(チャチャチャ) 死んでもまた転生できるよ だいじょうぶ!(チャチャチャ)」氷川きよしののりで手拍子をうってみた。


「うそだーい。前に転生するときに 立派に生きて2度とここに戻ってくるなと散々言われたもん!」


「そりゃぁ 神様たちは そう思っていらっしゃるみたいだけどー、

 人間はそんなすぐに純粋な状態になれないよねー」


「そうだ そうだ」シュプレヒコールの学生服団体。


「だから 何度でもチャレンジできちゃいまーす!」

「マグマになって 何回でも燃えてください 完全燃焼! 解脱への道!」


「地球創成期なら 何度爆発しても叱られません遠慮なく暴れられます!」


そう言って 凛ちゃんは原初の地球を作り出した。

「さあ 最初の地球に最初の一歩を示すものはだれか!

 炎になりたい人 炎をまといたい人 爆発大好き人間カモ―ン!」


すると「ファイヤー」多くの魂たちが 叫びながら飛び込んでいった。


青白い青年の姿をまとった魂が「爆弾 爆弾」とつぶやきながら滑り込んでいった。


『あれは 元過激派 こっちに来てから 1度も転生したことのなかった魂』

神様の一人がつぶやいた。


アモンは「打ち合わせと全然違うではないか」と髪に指を突っ込んでいる。

もともとアポロンのような髪型だから 指でぐしゃぐしゃにかき回しても 髪型にあまり変化は出ない。だって 短髪の巻き毛なんだもん



「燃えたい 燃えたい ドラゴンになりたい!」

赤い魂が近寄ってきた。


「炎のドラゴンに転生したいですか!」


「アチャー! ドラゴンこそわが命! いざ行かん! 炎の世界へ」


「いってらっしゃーい!」


マグマと溶岩の世界に ドラゴン達が多数出現した。


「いいぞ がんばれ! ドラゴンズ! もーえよドラゴンズ!」

  なぜか 人間の姿のままメガホン持って 飛び込んで行った者達もいた。


興奮する魂は 己の心のままに 新生原初の地球形態の新世界へ飛び込んで行ったのである。



・・・・

「はぁ むちゃぶりもいいところだなぁ」


「いやぁ面白い この手があったか」


「転生者がこの調子で増えて行ってくれると ここも少しはあきができるぞ」


「回転率が上がれば 消耗度も増すかな?」


神様たちも楽しそうだ。


  

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る