第48話 春のひと。

初めてかもしれないね。


好きなことを好きだと素直に話せるひと。


メイクやおしゃれが得意じゃなくてもありのままで受け入れてくれたひと。


話さない沈黙も心地よいひと。


なんでも一緒に楽しんでくれたひと。


素直になれなくて、尖っちゃうときも受け止めてくれたひと。


迷惑かけたくなくて、断ち切ろうとしたときも呼び止めてくれたひと。


泣き虫な時は手をひいてくれたひと。



いいや、ごめん。君だって泣き虫だったね




初めて知ったことばかりだったの。


無償の愛を注がれる感覚


右隣 ひとつ分のぬくもり


4畳半 ふたつ分の残像


こんなにも優しいひとがいるということ





残った最後の想いくらいが、ほんの少し苦くても


構わないくらいしあわせだったから


だからきっと心から言えるよ。




絶対しあわせになってね



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る