第33話 漸近線の向こう側で

「わからないよ」って僕は泣く


「わかってよ」って君もなく


きっと、正しい姿だよ



僕は僕だし  君は君だよ


どこまでも限りなく寄り添うことはできるけど



君が僕にはなれないように


僕は君にはなれないから



だから、話そう。


完全に理解なんてできないだろう


寄り添おうとすること  それでいいんだよ



だから、聞かせてよ。


悲しいこと  嬉しいこと


エスパーじゃないし、心が見えるわけないから





僕にできることはそれぐらいしか思いつかないけれど


泣いてたら、僕も一緒に泣くよ


深い底に沈むのなら、僕も一緒に沈む


だけど君は「ここへ来ちゃダメだよ」


そういうのなら





泣いてたら、笑えるまで笑わせるよ


深い底にいるのなら、


力づくで水面まで引っ張り上げるからさ






君がいる場所が僕のいきたい場所


僕のいる場所が君といたい場所なんだから

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