第12話 ぼくができること

君がかなしいときは包めるように


君が前をむく時は背中を押せるように


君が元気の無い時は笑わせられるように


君が疲れた時は毛布になれるような




そんな魔法使いになりたいのさ


ぜんぶはできないけど


ぜんぶ叶えられるとっておきの魔法があるから



どんなに遠くても君に聴こえるように


どんなに知らなくても伝わるように



ひとつの魔法しか使えないけれど


きっと万能なこの魔法でぜんぶ叶えたい




いつか離れても終わりじゃない


いくら遠くても消えたりしない



ぼくにはこれしかないけれど


君をしあわせにできるかな



笑ってほしんだ


でも泣いたっていいから


受け止められるぼくになりたいよ




ぼくにはこれだけだから


古いギターを弾いて


音痴なマーチを





嗤われたって


笑わせたらぼくの勝ち



指さされたって


目を集めたなら作戦通り




ぼくはこれだけだから


これで生命が尽きれば涙を流そう


こんなに幸せだったと







幸せにできたなら、幸せだったよ

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