愛おしいあなたへ

NAZUNA

第1話あなたへ

あなたと別れてもう10年以上経ちました。

あなたは別れ際、わたしに

「大丈夫だよ、逢えなくなっても心は繋がっているから。」

と言っていたね。

ねえ、あなたは今も元気ですか?

あなたの声も、匂いも、ぬくもりも何もかも覚えています。

咲き誇る百合を見る度にあなたに逢えてるような気がします。

心は今も繋がっているかな?

また会えたらいいな…。とあなたと出逢ったあの場所を通る度に思います。


それと、わたしの妹分と弟分が亡くなってから早半年経ちました。

わたしの妹分は美人で少しおっちょこちょいで、少し天の邪鬼で、でも優しい子でした。

わたしの弟分はイケメンで、堅物君で口数が少なくて、でも本当は心が熱くて何事にも一生懸命で…。


ねえ、逢いたいよ…。

なんで死んじゃったの?

今でも幼いあなた達がはしゃぐ姿、美しく成長したあなた達の、無邪気に笑う妹分の、優しく微笑む弟分の姿が目に焼き付いて離れないよ。

逢いたいよ、お姉ちゃんを残して先に旅立つってそんなのあんまりだよ。


愛おしい妹分と弟分の最期に残してくれた手紙を読み返しました。

いつ読んでも涙が止まりません。

知り合ったあの日からこの子達のお姉ちゃんとなると決めたその日からわたしはあなた達を守ると誓いました。


でも守れなかったよ…。無力なお姉ちゃんでごめんね。


愛してるよ…。ずっと、ずっと。

わたしが死んで、あなたに逢えたらたっぷり説教をかましてあげるから覚悟しなさい。

その時までお姉ちゃん頑張るから。


そして今日もあなたに花を手向ける。


目の前がぼやけてよく見えないわね…。

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