ラトローの本心

環流 虹向

第1話 TOP2

楓悠高校3年A組8番

菊池 學(きくち がく)

俺は今受験期間真っ只中だ。

この期間がつらくてしょうがないと多くの人は思うだろうが

自分はこうやって勉強して脳に負荷をかけていることが楽しくもあり、気持ち良い。

みんながゲームのミッションをクリアしたときみたいな感じなんだと思う。


それが行き過ぎるあまり探偵の仕事も高校1年の頃から始めた。

しかしセンスがあるみたいなので結構お仕事を頂いている。

仕事の時も負荷がかかる感じがとてもいい。だから続けられてるんだと思う。


しかし、一つどうしても解決できない問題がある。

俺が高校2年生の時からそいつは自分のことを〔怪盗 ラトロー〕という名前で

日本中心に盗みを働いている。

そいつがどうしても捕まえられないのだ。


そのラトローは盗んだものをいつもどこかに寄付をするという

盗人にしては不思議な行動をしていた。

その寄付する団体は各地バラバラなので足をつかみにくい。


あとは必ず夕方から朝方の中で盗みを働くこと。

日中と土日は一度も動きがない。

行動パターンがあるのはありがたいがそれくらいしか情報がない。


予告状が来るのはラトローが初めて盗みを働いた当初から変わらない。

たまにラトローをリスペクトしてまねごとをする奴が出てくるが

すぐ全員捕まる。やり方が鮮やかではない。


そんな悩みの抱えつつ日々勉強をしている。


しかし、悩みを一瞬でも忘れさせてくれるいい友人がいる。


楓悠高校3年A組14番

天充 幸(たかみち こう)

高校1年生の時から仲良くしてくれてる奴。

幸は勉強が得意というよりも学んだことを飲み込むが早く、大体忘れないそう。

だから学校のテストは幸が学年TOPで俺が2位。

レベルが高い場所には自分よりも優れている人間がいるともっと頑張ろうと思える。


幸はなんだかふわふわしていて天然というよりつかめない性格をしている。

いつも気を張っている俺でも近くにいると穏やかな気分になる。

俺にとって幸と昼ご飯を食べる時間はリラックスタイム。


今日も昼ご飯を食べて、10分休憩には勉強を教えあったりして帰りは駅まで一緒に下校する。

仲はいいが放課後遊んだことはない。

幸もバイトをしていて忙しいらしい。遊びたいが勉強に厳しい親がいるみたいで難しいらしい。

俺も放課後は仕事をしているので遊びに行けていない。

まあ受験が無事終われば遊べたらいいな。


平日は、事務所に行き宿題と大学受験の勉強をしながら依頼を待つ。

事務所の人が受験期間と知りほかに回せる仕事はそちらに任せ、

週に一度来るか来ないかのラトローの依頼だけを任せてくれる。


今日も依頼は来ませんようにと願いながら毎日出勤する。

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