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今日の太陽を思い出す。
汗ジミで裾の黄ばんだ青空。
人類の溜息でできた入道雲。
何者かがONにした床暖房のアスファルト。
みぞおちに染み出す骨の水分。
自分を蝉と勘違いした空気は
人の体中くっついて鳴いている。
今日の太陽のこと。
今日の太陽のことを思い出す。
くしゃくしゃになったハンカチが学校の雑巾のようだった。
偽物の風が気温を助けていた。
通りがかった団地の公園で
独りぼっちの少年が鉄棒と心中していた。
肥えた雲は身動きが取れず
全部蝉の羽でできてるあの空が
本音を語りたがっていた。
太陽は
人間の眼球で水浴びして
自分だけを救っていたから
空にかかった太陽は
まやかしの広告に過ぎなかった。
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