7話 護衛任務
俺はEランク冒険者になったがエルミナはまだFランク冒険者。そのためコボルト退治を一緒に行いサクッとEランク冒険者にエルミナをあげた。
「おめでとう!」
「ありがとう!」
「上がったばかりだけど、次は護衛クエストを受けようと思っているのだけどどうかな?」
「私はいいわよ。それは二人で行うものなのかしら?」
「違うよ。A,B,C,Eランクが2人。Dランクが1人の構成パーティだよ。今回Eランクに上がったことだし次の都市に行こうと思っててさ。それで都合の好さそうなクエストがこれだったんだ。もし嫌だったら違うクエストを考えるよ?」
「大丈夫。じゃあそれを受けましょう。いつなの?」
「明後日だよ」
「わかったわ。それまではお互い休憩しましょう」
「うん」
よかった。このクエストを承諾してもらえなかったらどうやって次の都市にどう行こうか迷う所だった。この場所もいいところだとは思う。だけど周りで高難易度のクエストは比較的少ないし、アメリアもいる。だから次の都市に行きたいと思った。それに次行く予定の都市は闘技大会があるしね。
俺とエルミナで一緒にクエストの申請をしてお互い宿に戻る。部屋に戻るとすぐに預言を使う。
{どの未来がみたいですか?}
{俺の3日後から7日後の未来}
{比較的スムーズに事が運ぶでしょう。またクリスにとって良い出会いがあるでしょう}
{ありがとう}
いい未来ってなんだろう? まあいいや。
預言の魔法を使い、ノエル様を呼ぶときはほとんどが部屋の中で呼ぶか、戦闘中に呼ぶかの2択。戦闘中はいつの未来ではなく、毎秒の未来を教えてもらうようにしている。そのため敵がどのように攻撃してくるかが分かる。だが使える時間は限られている。使っている最中はずっと俺の魔力を消費しているからいつでも使えるわけではない。
☆
この二日間は特にやることもなかったので、剣の調達と魔法の練習をして終わった。そして護衛任務当日。今回の護衛対象は公爵令嬢。初めてが公爵令嬢って言うのはどうなのかなって思ったが、クエストの受ける基準も達しているわけだしいいと思った。
俺とエルミナが立ち止まっていると、Aランク冒険者の2人が俺たちに話しかけてくれる。
「君たちEランクは室内にいてくれれば十分だよ。外の敵は俺たちが片付けるからもし万が一室内にモンスターが入ってきたら頼むよ」
「はい」
Aランク冒険者の方に指示をもらい馬車の室内で待機する。最初の2.3時間は特にやることもなく、ボーっとしていたけど、とうとうエルミナが爆発した。
「クリス。暇! 何か話そ!」
「エルミナ...。これはクエストなんだよ? 話していたら外で護衛している人に申し訳ないよ」
「そ、それもそうね...。」
俺がそう言うと護衛対象の方が前方の馬車からこちらの馬車にやってきて俺たちに話しかけてくる。
「ねえ。私も暇だったの! 一緒に話しましょ!」
「え?」
つい声が出てしまった。護衛対象と話す? はっきり言ってそんなことしていいのか? 外の人に申し訳ない。だけど護衛対象は言わば雇い主。その人を無下にすることもできない。
(どうしよう...?)
するとエルミナが護衛対象の方に言う。
「私はエルミナ。あなたの名前を聞いてもいい?」
「ルビア・ベーカーよ! 同い年ぐらいの友達って私いなくてついつい話しかけちゃったわ」
「私もそうだったの! でもクリスと友達になって初めて心置きなく話せる仲間ができたって思ったわ」
「いいな~。私も冒険者になろうかしら」
「いいんじゃない?」
俺は会話に入れなかった。はっきり言ってルビアさんにどんな言葉遣いで話せばいいかわからない。エルミナは楽に話しているけど俺はそんなことできない。
そんな感じで3日が経ち目的地---都市オージラに着く。馬車の中である程度ルビア様と軽い話はしたけどやはりなれなかった。それもなぜか俺の方をチラチラとみて来ていた。
(ルビア様に何か悪い事でも言っちゃったかな? どうしよう...)
依頼主---マックス・ベーカーさんのところに行き、報奨金を受け取ってエルミナと帰ろうとするとルビアさんがマックスさんに言った。
「私もこの二人と一緒に冒険者になりたいわ!」
え? 突然の申し出に俺は固まってしまった。
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