技法編

踵落としはどうやって使うのか?


かかと落としとは、

まずは足を天高く振り上げた後、相手の脳天や鎖骨に踵を振り下ろす大技です。


漫画などのフィクションでは度々たびたび見かける技ですが、実際に使うところを見た人は少ないのではないでしょうか?


それもそのはず。


・予備動作が大き過ぎる

・打点が高過ぎる


以上の理由で非常に使い勝手が悪いからです。


予備動作というのは、足を振り上げる動作のことです。

時間にすれば一秒にも満たないでしょうが、格闘家なら余裕で逃げられる時間です。


また、打点については、脳天や鎖骨に振り下ろすためには、そこからさらに20センチは高く足を振り上げなければなりません。10センチ程度では加速が足らず威力が出せません。届けば良いというものではないのです。


率直に言って、コンマ何秒という動きをする格闘家同士の戦いで踵落としを決めるのは非常に困難です。


相手の身長が20センチ以上低く、さらに技量差があれば……。

あるいは、ダメージを与えて膝を着かせてから……。


それなら基本技でさっさと倒してしまえば良いでしょう。あえてリスクを冒して大技を狙っていく必要性が感じられません。

油断して遊んでいると手痛い目に合うことくらい、格闘家なら知っているはずです。


もし、それでも踵落としを使いたければ、相手を完全に動けなくしてから使うしかありません。


仲間に抑え付けてもらうか、拘束具を使うか……。

それはもう格闘ではなく拷問です。


つまり、踵落としとは無抵抗の相手を一方的に痛め付ける時に使う技なのです。

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