第403話 「ノアの箱舟」~命を繋ぐ人達

その日 全世界で多発的に

暴風雨が発生した


しかも7大陸全ての王国

建造物が水に浸かり

もはや 人が住める状況ではなくなった


それ故 食べる物が汚染され

飲水がなくなり 人々は喉の渇きと激しい飢えが生じ

まともな精神状態を維持する事が困難となった


しかも暴風雨による影響で

大波が幾度も襲うので

人々を飲み込み 絶命するかに見えた


しかし「ノアの箱舟」が

波に飲み込まれた 人々を救う為に

アララテ山から ついに出航したのだ!!


人々の心は 突然訪れた自然災害に

恐怖を抱き 己に死が迫っている事実を 

考える間もなかったが


一度でも 神の福音を聞いた者達は

「ノアの箱舟」が目の前に現れ 霊的な救出を受けた

つまり心の中に 僅かでも 神を求める信仰があるか否かで

運命は大きく 左右される!


「ノアの箱舟」は

神に認められ 頭に刻印を押された者のみが

乗り込む事が 許されたのである!


「ノアの箱舟」の中には

聖巫女葵の母ソルカと

クリス王子、エルサ王女

ドルモンド侯&ラッセル伯

そして妖精族の守護者達


そして先の世界宣教で

神を信じた 全ての聖徒達が乗船し

刻印を押され人々の 救出にあたった!


神を信じる者は

瞬時に「ノアの箱舟」に乗り込めたが


神に認められなかった 残り半数のもの達は

海に飲み込まれ 命を落とす事となった。。


しかし激しい波に 飲み込まれながらも

破損した 瓦礫につかまり 

水死せずに済んだもの達が

必死に もがき苦しみながら 命を繋いでおり

「ノアの箱舟」に向かって 泳ぎ続けていた!


「頼む!

俺たちも 舟に乗せてくれ!!

このままでは 波に飲み込まれて

命を 落としてしまう!!!!!


どうか!!!

助けてくれ!!!!!!」


「船の首尾に立った ソルカは

大声で叫んだ!


あなた達は 何度も

神を信じる チャンスはあったのです!


しかし 心を頑なにし

神を受け入れる事をしなかった!


それを今になって

助けてとは何ですか?

この箱舟は 神を信じる者しか

乗り込む事は出来ません!」


「今から 信じるから どうか助けてくれ!!!」

彼らは 溺れそうになりながら

必死に叫んだ!


「あなた達は 言っていたではありませんか!


『わたしは神を必要としない!

自分の人生は自分のもの

好き勝手に生きるのだ!


もし 人生を急に終える事があっても

それは 自己責任だ!

誰の干渉も必要としない!

神などいない! 俺は信じない!

ほっておいてくれと!!』


それを今になって

自分に死が 迫っているからといって

今更 手のひらを返したように

神を求めるのですか?


口先だけで 神を信じると言っても

神は心をご覧になられます

すべてを お見通しなのです!

口先だけの 悔い改めの言葉は 神に届きません


もう遅いのです!

あなたの心は 墓のように 死んでおり

決して 神を求めてはいない・・


その証拠に この箱舟は

僅かでも 神を求めているのであれば

必ず 乗り込む事ができるのですから・・


「そんな・・・・・・

・・・・・・・・・・・」


彼らは 絶望し 顔面蒼白となり

命尽きるまで

「ノアの箱舟」に向かって

泳ぎ続けた 


しかし多くの者は 乗り込めず

命を落としたが....


僅かに 信仰を認められた者達だけは

命を 繋ぐ事ができたのである

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る