第392話 葵・死の決意!

葵はひとり あてもなく

歩き続けた・・・

そしてリムラ村とガデム村の境界にある

メーラレン湖まで来ると 

しばらく湖を眺めていた


「私は この美しい湖の一部となって

この世の生を終わりにしたい・・・もう・・・限界・・だ・」


葵の精神は・・

ギリギリまで来ていたが

今朝父ダンが 放った言葉が

葵の気持の最後の境界線を

無残にも崩壊させ!

魂を根底まで打ち砕く

衝撃的な傷を与えてしまったのだ。。


それは ・・

「葵・・・お前など 

生まれて来なければ良かったのだ!!」


葵はショックだった!

自分は 愛されて生まれてきたと 思ってきた

それだけが 心の支えであったのだ


それなのに 愛する父から

一番聞きたくなかった 

その言葉を聞いた時

葵の精神に深い 傷を与えてしまった!


「生まれてこなければ良かった??

どうして 父さん・・そのような事を・・

私を愛してくれていたのではなかったの?


愛されていないなら

もう生きていく意味がない・・・

愛される事が 生きる価値であると・・言えるのだから・・


愛は最も尊いもの・・

葵は そのように感じていた


もういい・・・・・

いいの・・・死のう・・」


葵はついに 

死を決意した!


生きていく意味を 

見失ってしまったのだ!


葵はメーラレン湖に

足を踏みこんだ


「冷たい・・

このまま 5メートル中に入れば

私は 死ぬことができるだろう・・


死のう・・・

もう決めたのだ!」


葵は 恐れもなく 

メーラレン湖に入水し

1メートル 2メートルと進んでいった

4メートルまで来た時 

葵の上唇まで 水が覆い

あと数歩 前に進めば 確実に死ぬ事ができた


「父さん 今まで 育ててくれて

本当に ありがとう・・

私は 父さんの事が 本当に大好きでした


最後に このような形で 

別れる事になるのは 本意ではないけど

これ以上 父さんの事を 憎みたくないから・・・

まだ良い思い出が 

心に残っている間に 天国へ行きたいの!


もしもう一度 

人生をやり直せるなら

父さんの 本当の娘として 

私は、生まれたい!


ありがとう!!父さん・・

そして。。さようなら・・・」


葵は さらにもう1歩前に進み

湖水の底に沈み 

意識を失った


◆◇


葵は 全ての苦しみから 

解放されたかった!


その時 

不思議な現象が起きた

葵のまわりに 空気が現れ

一瞬の内に 別次元に移動したのであった


■ ◆◇


≪ワールドの世界へ≫

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