第354話 ジキル来訪

ダンがガデム村に 

配達に行っている頃

葵の元に突然の来客者が訪れた!


葵はいつものように

家の掃除や片付けをしていた時

突然玄関でドアノックの音がした


「こんにちは!

誰がいますか?」


葵は 玄関先に 

人の気配を感じ

そっと覗いてみた・・


すると見た事がない 

貴族の服を着た男性が立っていた


「誰だろう?」


父さんには 知らない人が家に来た時

絶対に家に入れてはいけない!と言われていた


居留守にしようか・・・

葵は一瞬迷った


でも家に誰もいないと 嘘をつく事も嫌だ・・・


「どちら様ですか?」

葵は つい返事をしてしまった


「お嬢ちゃん

この家の子かい?」


「そうです!」


「どちら様ですか?」


「私は、スンツヴァル王都の

守備兵を率いる貴族なのだが


リムラ村の実態調査に来ており

村人が困っている事があったら

支援する為に やって来たのだ!」


「お家の人はいるかい?」


「今 仕事で 

出かけています!」


「お嬢ちゃん 

一人で留守番をしているのかい?

偉いね!」


「いいえ

そんな事は・・」


「良かったら 

おじさんに顔を見せてくれるかい?」


「どうしてですか?」


「村の人達と 仲良くなりたいからさ!」


「父さんに 

誰も家に入れてはいけない!と言われていますから

ドアは開けられませんが・・

窓からでも良いですか?」


「勿論だよ!」


葵はそっと 窓から顔を出すと

貴族の男性に 会釈した


「お嬢ちゃん お名前は?」


「葵です!」


「葵ちゃんというのか?

良い名前だね!

お父さんは 何時頃

帰ってくるのかな?」


「分かりませんが・・

もうじきだと思います!」

(葵は、夕方に戻るとは言わず

時期に戻ると答えた

何か危険な匂いを察知しての事であった)


「一人で留守番 

寂しくないかい?」


「いいえ!大丈夫です!

慣れていますから!」


「そうかい!

気をつけるんだよ!

また父さんが帰る頃に

家に寄らせてもらうよ!」


「そうですか?」


貴族の男は 一旦帰っていった

彼の名は 悪名高い貴族マフィア

ハイドの部下で ジキルと言った


「何だか 怪しいぞ・・・・」

ハイド様に報告しなければ!!


<葵に危険が迫っていた>

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