第260話 第二神災「ウシ蛙の群れ」②

その頃、ルエラ民族が住む

アーサー国北部のカナンの地には

蛙は存在していない情報が

市街地に住む女子供たちに伝わっていた


彼女達は蛙を忌み嫌っていたので

逃げ出すようにカナンの地に向かい

保護を願った!


「お願い!

私達を助けて!

蛙が襲ってくるの!

小さな子供もいて・・

この状況は耐えられません!!」


「ここは安全です!

さぁ!小さなお子さんのいるお母さん方

私達の家にお入り下さい!


水とパンを用意しますから

ゆっくり寛いでください!」


「ありがとう!

私達の国はあなたがたを

奴隷として苦しめたのに・・

どうして優しくしてくれるのですか?」


「葵巫女様の

ご自愛の心を受けたからです!

受けた愛を示したいだけです!


今回我らが祖国に帰れるように

どうかお祈りしてください!」


「・・・・

ごめんなさい!

これまでの・・虐げの数々を

どうか赦してください!」


彼らは心からの謝罪をした


◆◇


バラク王は

呪術長ファラオに命じた!


「この蛙を排除せよ!」


しかしファラオの秘術を使うが

さらに蛙が増えて

アーサー国土の地を覆った!


「増やしてどうするのだ?

馬鹿者め!!!


これはたまらん!

巫女を呼び戻せ!!」


巫女は王宮の外に出て

天を見上げ祈っていた!


葵巫女の周辺に光が差し

蛙は寄り付かず

完全なガードがなされていた


兵士達は葵巫女の

立ち振る舞いを見て

偉大な巫女に敬服するようになっていた


「あ・・あの巫女様

バラク王がお呼びです!」


葵巫女は王宮に戻った


「巫女よ!

私と私の民の所から蛙を除くように

神に祈ってくれ!

そうすれば私はこの民を去らせる!」


「いつですか?」


「明日だ!」


「あなたの言葉どおりに

なりますように!

約束は守ってください!」


葵巫女は王宮を出て

両手を広げ、神に祈りを捧げた


「起源の存在なる神よ!

この地より這いあがった

蛙を完全に去らせてください!

カイル川に戻るように!」


するとウシ蛙は群れをなし

カイル川に帰っていった


しかし兵士達が殺した蛙は

山のように積み上げたので

地は悪臭で満ちた


バラク王は一息つけると思うと

心を硬くし、葵巫女の言うことを

聞き入れなかった

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