第233話 セカンドチャンス②

「哀れな・・・

あなたは何故そこまで

私を憎み・・・

悪に生きる事に固執するのか?」


「黙れ・・・

お前に私の苦しみなど・・

分かる筈がない・・」


「リヴァイよ!

私も多くの苦しみを通ってきました

巫女に覚醒するまでは、普通の少女であり

父親からひどい暴力を受け

何度も死を願った


人間扱いされない苦しみは

私も経験があり・・理解できます!


しかし憎しみからは何も生まれない!

悪根の支配の力を得て

あなたは本当に幸福でしたか?」


「・・・・・・・」

リヴァイはもはや

意識朦朧としており

葵巫女の言葉が現実か夢の世界か

判断できなくなっていた・・


◇◆


「リヴァイ

生きたいですか?


リヴァイあなたは

この世で憎しみ以外で

生きる希望を見出す事はできますか?」


「・・・・

生きたい!

私は・・・死にたくない!

本当は・普通の家庭で生まれ

平凡な・・人生を・・・・

送りたかった!


ただそれだけだ・・・」

(意識を失った)


葵巫女はリヴァイに優しく触れ

心を深く探った


彼女の生い立ち

悲惨な境遇、心の傷

誰も彼女を守ってくれなかった過去


そして魔具デッドリーポイズンに

犯された全身の猛毒が消失するように

強く癒しを願い祈った!


「起源の存在;神よ!

あなたに背を向け

反逆者として生きたこの者を

どうかお救いください!

セカンドチャンスを与えたまえ!


癒しを!回復を!

彼女に命を繋ぐ力を与えたまえ!!」


数時間後

リブァイは目を覚ました


「これは・・・」

自身に変化が起きていた


まわりに倒れていた水夫と兵士達も

意識を失っているだけで

皆無事である事が確認できた!


そして不思議な事に

これまで感じた事がない心の平安が・・

深い憐みと愛情が

溢れている事に気付いた


「これは・・・

こんな気持ちは初めてだ!


巫女・・さま・・」

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