第118話 ハグの癒し

ヒナタは

リムラ村調査帰りに

アニーに助けられ

巫女宮殿に連れたこられて以降

しばらく巫女府治療院で療養していたが

随分回復してきており

葵巫女のはからいで

MIKOハウスで暮らす事になった


「ヒナタ!

具合はどうですか?」


「はい!

だいぶ良いです

ありがとうございます!」


「それは良かった!」


「葵巫女様

私は本当にここで

生活をしても良いのですか?

私にはそのような資格はないように・・・」


「ヒナタ!

まだそのような事を・・

あなたは私にとって大切な方です!

どうか気兼ねせず気楽に

ここで暮らしてください!」


「葵巫女様

何てお礼を言ったらよいのか・・

本当にありがとうございます!」

ヒナタは涙ぐんでいた


「もし葵巫女様に

出会わなければ

私は野垂れ死んでいたかも・・しれません。。」


「ヒナタ・・

今日もハグをしていいですか?」


「葵巫女様・・・」


葵はヒナタが巫女宮殿に来てから

日に1度、ヒナタを元気づける為に

優しくハグしていた


巫女がおこなうハグは

どのような優れた治療や薬よりも

絶大な効果があり

心の芯を強め、癒す力がある


「葵巫女様・・・

このように私に

何度もハグをしてくださり

本当にありがとうございます!」


実際、ヒナタ自身

ハグをされてから

母親の胎にいるような

優しく、温かい、深い安心感を感じていた

そして深く傷ついた心が

身体の痛みが緩和していくのを実感して

自然と涙が流れるのであった


そして自分に与えられている命を

無駄にしてはいけない!

大切に、大切に日々の生活を

目的をもって歩んでいきたい!

そう強く思うようになっていた!


葵巫女は

連れてきた侍女たちに

ヒナタの部屋の片づけの指示した


「まだ十分に体力が

回復していないヒナタこそ

手伝いが必要です!

そしておそらくこれから生活する上で

不足するものが多々あると思いますので

あなた達で、町まで購入しに行ってください!

費用は私が出しますから!!」


「葵巫女様

何故そこまでして下さるのですか?

私は、十分に受けておりますから・・・」


「ヒナタ!

私達は今日から家族のように

ここで暮らすのですから

どうか私の行為を受け取ってください!!」


「葵巫女様・・・

(あなた様のご厚意を

心から感謝いたします!

そしていつか恩返しできるような人間になりたい!

心から・・・願っています!)


ヒナタは本当の我が家に

帰ってきたような感覚になっていた


そして失われた心のピースがもうじき埋まり

これから自分が何に

向き合うべきかも分かっていた!


葵巫女様

ここでの生活をする中で

必ず立ち直って見せます!

お約束します!

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