第102話 アブラハの部下ナミ

次の日

早朝から巫女宮殿を守る

守衛達から緊急の使者が

来ていると報告があった


「どこからの使者ですか?」


「それが・・・

『我々は歴代の巫女様にお仕えしてきた

使者だと』言うのです!」


「歴代の巫女に?

もしや第2使徒預言者アブラハが

以前言っていたリエラ村の部族の者達が

到着したのかもしれません!


彼らに会ってみます!

巫女宮殿に通してください!


すると7人の使者が

葵巫女への捧げ物に宝の箱をもってきていた

中にはエデンの地で採取された

黄金、乳香、没薬が入っており

大変貴重なものであった


「葵巫女様

お初にお目にかかります!

我らは東方の国エデンより参りました

預言者アブラハ様の部下である

ナミと申します!」


「ようこそおいでくださいました!

贈り物を感謝いたします!

長旅お疲れになられたのでは?

ゆっくり寛いでください!」


「いえ!大丈夫です

ありがとうございます!


早速ですが葵巫女様!

我らリエラ民族は

近い将来に起きる未来を

読み解く能力ができます!


かつてヨセフが未来の夢を

読み解く事ができたように

我々も同じ力を持っております!」


「どのような未来が

見えるというのですか?」


「具体的には人の人生に関することです!

人を良き道に導く道案内のような

悟りを得る有益なもを指し示します!


それ故我々の里には

多くの人生の開拓者達が

自分の将来の夢に希望という帯を巻き付けたく

日に100人以上が訪れるのです!

我々は言葉を選び

良き道しるべになれるように

道を示すのです!」


「しかし我らの族長の母エリサベツが

奇妙な赤い星を見たのです!

その星は、危険を予兆しており

大きな疫病が流行ることを

示唆しております!」


「どのような疫病ですか?」


「完治しない病です・・・」


「完治しない病とは?

具体的にどのような・・・」


「我々も詳しい事は分かりませんが

赤い星の先には死が見えます・・

決して触れてはいけない

見てもいけない!

見たものは、心奪われ

離れられなくなり、いつしか

心も体も蝕まれる死と直結する

非常に恐ろしい病です!」


「悪種の罪の影響は

全世界に広がっており

多くの国の人々の心を蝕みつつあります!

我々は悪種の支配に対抗すべく

妖精族の加護を受ける預言者を

派遣し、対抗しておりますが・・・

力及ばない町も多々ございます!


以前葵巫女様の故郷

リムラ村を襲ったジキルとハイドは

赤い星の手下であり

彼らレベルなら我々でも

対処できるのですが・・・


我々がこの国に入り

葵巫女様がどれほど優れておられ

この国にもたらした希望値は非常に高い!

我々は、町や村に足を踏み入れるだけで

その地の希望値を図ることができます!


このスンツヴァル王都は

列国のどの国よりも希望値が高い!

それは葵巫女様が

妖精族の最高位に座しておられ

国の治安は驚くほど回復し

人々は希望を抱くようになったからだといえます!


巫女様が持てる妖精族の力が

人々に幸せの風を吹き込み

この国の邪悪な種が弱まってきているのです!


しかし「赤い星」組織は

我々が築いてきた

希望値の力を無効化します!

希望値ゼロの町は

廃墟した町と同様です

聖典の伝承によると

「赤い星」組織は人生につまずきの石を置き

偶像の神にささげた物を食べさせ

悪質な悪行に走らせようとする!

葵巫女様の力を持ってしても

今のままでは

対処できないでしょう・・・


この「赤い星」組織は

第Ⅲ大陸の武装国家アーサー国が支配する

大陸ギホンに出現が確認されております!


この赤い星に対抗するには

第2の聖典を手にいれなければなりません!

第2聖典には『鉄の杖』をもって土の器を打ち砕く力

全治全能の神から支配の権威を受けることができる」

と伝承で語り継がれております


「葵巫女様!

第2の聖典を手に入れてください!

この世界を救う為であります!」

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