『最後の巫女AOI』

AOI

巫女誕生編

第1話 未来の勇者 ラック

葵は夢見る少女 

見た夢はいつも鮮明であり 

夢と現実は同じ世界といえた

今朝 見た夢は 彼女の理想の世界「ワールド」


葵は 目を覚ますと

若草のクッションに横たわっていた

瑞々しい草の香りが 

彼女に漲る力を与えてくれる


彼女にとって

ワールドに漂う起源の力によって

心に癒しと深い平安を与えてくれる


若草のベットは とても快適で 時を忘れるほどだ

私の心は今満たされている 

先ほどまで蠢いていた 心の深い闇が・・・

一瞬のうちに薄まり 浄化されていく 


『ありがとう神様・・・』


■□■◆◇


葵は12歳 

父ダンと2人暮らし 

葵の母は葵を生んで 行方不明となった


ダンは葵を愛し

大切に育てていたが

ある日を境に人が変わってしまった・・


まるで別人であり

何かに取りつかれているように 心が荒み

葵に辛く当たるようになってしまった


葵は ひどく戸惑い 

優しかった父から受ける仕打ちが理解できず 

困惑し・・・次第に心が病んでいった


「バカヤロー」

何度も罵倒を浴びせられた


「ごめん・・なさい・・」

謝罪の言葉が父さんに伝わらない・・・

父から受ける暴力が 葵の心を踏みつけていく


「痛い.痛い.痛い・・・

息が息が.できない・・たす け て・・

助けて .何度 叫んでも・・伝わらない・・・

お願い!もう許して!!!!!!!!」


そして気を失った・・・・

その瞬間 葵の傍には両手を広げ必死になって 

葵を守ろうとする存在が現れた!


≪起源の存在 神である!!!≫


■□■◆◇


ラックは、夢を見た


「助けて!! 

早く私を見つけて!


このままでは魂に 

大きな傷が生じてしまう!!

未来の勇者よ!

あなたとの出逢いに

この世界の未来が 

かかっているのです!」


「この世界の未来とは?

どういう事だ・・・」


薄れていく夢の片隅に

鮮明に 繰り返される残像

ラックは 幾度となく

同じ夢を見ていた


しかし朝になると

汗をびっしょりかき胸の高鳴りを感じている・・

とても不思議な現象だ!


ラックは忘れてはならない

自分に 課せられた大切な

使命があるような気がしてならない


「君は 一体誰?

何処にいるの?

早く 早く出会わなくては!

しかし一体どうやって・・・」


ラックは夢の中で

顔の見えない 

大切な存在に向かって 

ひたすら 走り続けるのであった

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