第34話

赤い煙幕が拡散した直後、外壁の魔法障壁が消え去った。


リンナ「何が起きたの!」


ニュン「きゃはははははは!!まさか協力者が学園内に居ないとでも思ったの?とんだ甘ちゃんだよね!!」


リンナ「まさか!」


リンナが屋上の金網から校庭を見ると、数か所で生徒同士で争っているのが見て取れた。


リンナ「やめさせて!」


リンナはニュンを睨み、暴れている生徒を、止めるよう言うが、ニュンは。


ニュン「ははははは!ほら!あたしの部下が正門前に集まりだした!早く校庭に行かないと手遅れになるよ!まぁ行っても何もできないと思うけどね!はははははは!」


正門前に100人ほど武器を持った人たちが集まり、今にでも学園内に押し入ろうとしていた。


リンナは胸元のペンダントを引きちぎり能力を解放する。


リンナ「【ドレイン】」


ドレインの魔法によりニュンはその場で倒れて動けなくなった。


リンナ「ここでおとなしくしてて、後で憲兵隊に身柄を拘束してもらうわ。」


この言葉を残し屋上から校庭に走って行く。



そのころフィンは混乱の渦の中奮闘していた。


フィン「あ~も~!あっちこっちで喧嘩しちゃ~駄目だからね~!!悪い子はお仕置きしちゃうから~!!」


次々と反乱を起こした生徒を、先が付いていない矢で居ぬき沈黙させていった。


その時リンからの依頼で様子を見に来た生徒がフィンに話しかけた。


生徒「フィンさん、状況は?」


フィン「ん~立て直す~?あ!君~魔法障壁をもう一度張れるか聞いてみて~そっちの君~正門前の人たちに魔法障壁が張られるまでは防御重視で、できるだけけがをしない様に言ってくれない~?」


矢を次々と放ち、暴れる生徒を沈黙させながら支持を出し、混乱を少しづつではあるが抑え始めていた。


生徒「大丈夫みたいですね、リン様に報告してきます。」


フィン「あ~ちょっと待って、リンちゃんに~彼を見かけてないから~用心をするように~言ってくれない~。」


生徒「彼?わかりました。」


様子を見に来た生徒は校舎の中へと走り出した。


フィン「あと少しで校庭内は落ち着くかな~そしたら正門の対応だね~それにしてもリンちゃん、せっかくインカムが有るのに何で私には使わないのかな~?」


フィンは疑問に持ちながら、次々と暴れる生徒を沈黙させていた。


フィンは知らなかったインカムの通信がOFFになっていることを。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る