第10.5話 お土産の饅頭とお年玉
*作者コメント*
オマケ回です。
─────────
*お土産の饅頭*
刃「ただいまージィちゃん」
マドカ「ただいま戻りましたお爺様」
祖父「うむ、よく帰って来た。何事もなかったかのぉ?」
刃・マドカ「…………勿論、何も」
祖父「……そうか(絶対になんかあったのぉ。あの
刃「(マズイ……ジィちゃんの機嫌が一気に悪くなってる。誤魔化し切れなかったか……)」
マドカ「(グラサン越しにメラメラ燃えているのが見えます。どうしますか?)」
刃「(こうなったらお土産の饅頭で誤魔化すしかない。ジィちゃん甘いの好きだから……!)」
マドカ「(それで欺けれるのは子供くらいだと思いますが……)」
刃「じ、ジィちゃーん? あのお土産で買って来た美味しい饅頭があるんだけど、一緒に食べない?」
祖父「ノォホホホーン! 食べる、食べるのじゃー!(ムフー! 可愛い孫からの初土産じゃ〜!)」
マドカ「……これが親馬鹿ならぬ祖父馬鹿というものでしょうか」
刃「たとえ思ってもそういうことは言わないように……」
否定できない事実に刃は頭を抱えた当の祖父は嬉しげに饅頭を頬張るだけであった。
ちなみにマドカは甘いの全般好きであるが、食べている時はもの凄く真剣な表情で饅頭を味わっていた。
*お年玉*
祖父「ほれ、ジィちゃんからのお年玉じゃよー!」
刃「あ、あー(今年も来ちゃったかー)」
祖父「これが刃とマドカちゃんの分じゃ!」
マドカ「あの……私も良いんですか?」
祖父「勿論じゃ! マドカちゃんもワシにとってはもう一人の孫! じゃのぉて、孫の嫁じゃしのぉ!」
刃「なぜ違う方に言い直す。あとジィちゃん、前から言ってたけど……」
祖父「なんじゃ?」
刃「札束で渡すのはやめて(百万の束を袋から出して見せる)」
祖父「これでも足りないかと心配なんじゃがのぉー……(トランクケースを見せる)」
刃「そんなんだから祖父馬鹿とか思われるんだよ。少しは自重してくれって」
マドカ「……いえ、これもう祖父馬鹿ではなく、単に孫愛が強いだけなような……」
祖父「どうしたんじゃ? 二人して頭を押さえて?」
貰い過ぎたお年玉に悩む二人に、祖父は不思議そうに首を傾げていたが、愛情からだと分かっているだけに二人とも何も口にすることができなかった。
マドカ「とりあえず、これで新しい家具でも買いましょうか」
刃「あ、俺の分も上げるから高めの洗濯機でも買うか?」
ただ、なんだかんだ使い道はあったので、二人も素直に受け取って家電量販店のチラシをしばらく眺めていた。
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