533話 サリエとの初××

 とある夜、サリエが俺の部屋にやってきた。

 彼女が俺からの愛に不安を覚えた様子だったので、俺は愛の言葉とともに彼女に口づけをした。


 しばらく、彼女の口の感触を堪能する。

 そして、ゆっくりと離れていく。


「嬉しいです……」


 サリエは幸せいっぱいという表情をしている。

 そして、彼女が俺に身を寄せる。

 俺は彼女のぬくもりを感じつつ、口を開く。


「先ほどの返事をしていなかったな。俺もサリエと深い仲になりたい。親御さんへの挨拶はまだだが、構わないか?」


「はい……。父は、反対しないと思います。もし反対されても、絶対に説得します!」


 サリエがきりっとした顔でそう言う。


「分かった。もう止まらない……いや、止まれないぞ。覚悟はいいか?」


「はい。よろしくお願いいたします」


 俺は彼女を優しく抱き締め、そのままベッドに押し倒した。


「ん……、ふぁ……」


 俺とサリエは再び唇を合わせていた。

 舌を絡め合い、唾液を交換し合う。

 先ほどの初々しいキスや、愛を確かめ合うキスとは違う。

 熱情的で、快楽を求めるようなキスだ。


 俺の背筋をゾクリと電流が走るような感覚が襲う。

 俺は我慢できず、彼女の服の中に手を滑り込ませた。

 素晴らしい肌触りだ。

 ミティやニムの若々しい肌や、アイリスやモニカの健康的な肌も魅力的だが……。

 サリエの肌触りは絹のようなきめ細かさがある。

 いつまでも触れていたくなるような肌だ。


 彼女の胸は小さいながらも形がよく、張りのある柔らかさだ。

 その小さな突起を指でつまむと、彼女はビクンッと体を震わせた。


「あんっ!」


 サリエが可愛い声を上げる。

 もっと聞きたい……。

 俺は彼女の胸の感触を楽しんだ後、右手をスカートの中へ侵入させる。

 下着の上から指を這わせると、そこは既に湿っていた。


「あっ……いゃん……」


 恥ずかしいのか、彼女は手で顔を覆ってしまった。

 俺は彼女の耳元に口を近づけ、囁くように言葉を紡ぐ。


「俺を想ってくれていたんだな? すごくエッチだ」


「~~っ」


 その言葉で更に濡れてしまったようだ。


「脱がすぞ」


 俺はサリエの腰に腕を回し一気に下ろした。

 そして、自分のズボンを脱ぎ捨て、彼女の足の間に割って入る。

 彼女の大事な部分は、既に洪水状態になっていた。


「綺麗だよ、サリエ」


「~~~~っ」


 俺の言葉に反応するように、またドロッとした液が流れ出てきた。


「いくぞ」


「は、はい……。来てください」


 そうして、俺と彼女は1つになったのだった。



●●●



 チュンチュン。

 翌朝になった。

 昨日はお互いに大満足の夜を過ごした。

 今は落ち着いた状態で、それぞれ朝の身支度を済ませている。


「そういえば、なぜ今なんだ?」


 俺はサリエにそう問う。

 これまで、長い間俺たちは適切な距離感を保ってきた。

 なぜ突然、このような行動を起こしたのだろうか。


「え? ああ、それはですね……」


 彼女は恥ずかしそうにモジモジしながら、こう言った。


「ニムちゃんやマリアちゃんの話を聞いて、私も早く既成事実を作ってしまおうと思ったんです」


「……」


 おお?

 意外にアグレッシブで打算的な答えだ。


「そ、それだけか?」


「はい。タカシさんが他の女性に次々と手を出されるのは仕方ないのでしょうが、このままだと私のことを忘れてしまいそうだと不安になりました」


「そんなことはないと思うのだが……」


「いえ、絶対ないとは言い切れないです! だから、私は必死なのです!」


「お、おう?」


 確かに、俺と彼女は半ば婚約しているようなものだとはいえ、あっちにもこっちにも手を出しそうな雰囲気を感じれば、不安にもなるか。

 つい先日のハイブリッジ杯でも、レインや花という新たな勢力が出現したことだしな。


「今日から、タカシさんの未来の妻としてより精力的に活動しようと思います!」


「ああ。無理はしないようにな。近いうちに、ハルク男爵にも結婚の許可をもらいに行こう」


 おそらく、反対はしないと思うが……。

 少し緊張するな。

 未婚の貴族家の処女を奪ったことがバレると、いろいろマズいかもしれない。

 手土産をたくさん用意しておくことにしよう。


「あ、そういえば……」


 サリエが何かを思い出したようだ。


「タカシさんと深い仲になることを狙っている人が、私以外にもいますよ」


「もちろん知っているさ。レインや花のことだろう? いずれは手を出すかもしれないが、まだ先のことだな」


 女好きの俺としては、いくらでも手を出したい。

 忠義度稼ぎという点でも、男女の仲を深めていくのは悪くない選択肢だろう。

 しかし、あまりにも節操なく手を出すと、貴族界や一般民衆からの評判が悪くなる可能性がある。

 それは避けたい。


「え? レインさんと花さんですか?」


 サリエが驚いたような顔になる。

 あれ?

 この感じだと、違うのか?


「…………」


 サリエは黙り込んでしまった。


「タカシさんの眼中に無し、と……。これは厳しい戦いになりそうですね……。私も協力してあげましょうかね」


 彼女がそんなことを呟く。

 うーん?

 俺に迫ってきそうな者が、他にいたかな?


 加護(小)を付与済みのリンやロロに対しては、大人になるまでそういうのは無しだと明言している。

 ヴィルナやヒナは、それぞれキリヤやトリスタというお相手がいる。

 心当たりがないな……。

 まあ、いずれ分かることだ。

 俺は、領主としての仕事に精を出すことにするか。





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