ワールドライン
九日一徳
第1話 ミッドウェー島
1942年6月4日10:20、ミッドウェー島はアメリカ合衆国と大日本帝国の決戦となった。
この事件で、二つの鏡のような平行宇宙はここで距離を開き、別の方向へと暴走していく。これは時間の交差点であり、二つの宇宙の異なる結末でもある。
最初の時系列では、アメリカが日本海軍に少ない勝利を収め、日本の重空母「飛龍」、「蒼龍」、「赤城」、「加賀」の4隻がアメリカ海軍に撃沈された。太平洋戦争の画期的な勝利で、敵を打ち負かす勢いを鼓舞し、3年後には日本を降伏させることに成功し、全世界が平和と勝利の喜びに浸った。
しかし、第2宇宙の時系列では、この勝利はひときわ重い。日本はミッドウェー海戦で圧倒的な強さでアメリカ海軍を壊滅させ、アメリカの「ホーネット」、「エンタープライズ」、「ヨーク・シティ」が次々と撃沈された。日本はハワイ諸島全域を占領し、その後の海戦でも連勝を続けた。
アリューシャン列島の戦いの勝利後、日本はアラスカに上陸しようとした。しかし、海軍と陸軍の不和で上陸作戦は惨敗し、天皇の仲裁で日本軍は和解した。「徴」号作戦計画を策定した。米西海岸に迂回し、カリフォルニアに上陸して米国を威嚇し、米国を交渉のテーブルにつかせようとした。
米カリフォルニア州では、
海軍の敗戦が伝えられ、人々はパニックに陥った。人々は内陸に撤退し始めた。米陸軍は、ネバダとオレゴンに後退して反撃に出る構えだ。カリフォルニアでは武装派閥が次々と結成され、日本との抗争を誓った。しかし、米政府は各武装派閥の成立を違法だと主張している。
一時、カリフォルニアとワシントンの関係は氷点にまで下がった。
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