第15話 プレッシャーとかぁー



────ガラガラ、



「お邪魔しまーす、」


「遅い…」



まだ自己紹介もしてないけどこのもっさり…いや…、黒髪無造作ヘアーのどうせ眼鏡取ったらイケメンなんでしょ男子が、私達が会いに来たレオ・ハモンドだろう。



「お待たせしまして申し訳御座いません、お父様から聞いていると思いますが、こちらが天音 美優ですわ」

「ども。」



「もう!何ですかそのご挨拶は!」なんてルビーに怒られながら早速、魔法授業からずっと拝借しているガラス玉を取り出した。



「美優さん…!?貴女!今までずっと持っていらしたの…!!?全く! 先日の授業で足りないから発注お願い致しましたのに!!」

「わーわー!あー…! ごめってば…!まじごめん…!」



魔法授業の準備補佐役のルビー。

実は他のクラスで使ったガラス玉も若干カツアゲ的な感じになってしまったが少々拝借していたのだ。

怒られてトーゼンだが覚悟はしてたので大丈夫!



「で?ソレが例の粉か?」

「いや、一発キメるヤベーもんみたいに言うなし!」

「は?」

「・・・・・・うっせーー…!」



違法な白いお粉は、この世界ではどうやら無いものだったらしくちょっと恥ずかしい私。



「と!とにかくー!これはだいぶ大きいやつなんだけど・・・」

と自分の持っているパレットと、作り出したアイシャドウ、そして今回は単色タイプで入れる小さいやつを作ってみてほしいとお願いした。


なかなかに興味津々で、あぁこういうの作るの本当に好きなんだなぁ。と伝わってくる。

好きなこと、得意なことを気持ちよくやってくれた方が一緒にやってても楽しいもんね!



「うん、わかった。作ったら連絡する。」



と、また魔法契約を結びクラスを出た。

しかしまぁ…なんと言うか、平民棟って・・・・心地良いな!

なんか、やっぱ、あたし平民だわ~。って感じ。

いやルビー達の事は勿論大好きだけどね!?




それから1週間──────


 夜会前日。



マリンがお友達の伯爵家から夜会のお誘いを受けたと言うので、私達も一緒に誘われた。

伯爵家の友達は「ルビー様達が来てくれるなら」と即答OKだったらしい。

クラス的にはお隣のクラスだとか。


因みに私が居るクラスは王族か、公爵、侯爵しか居ないのだとか。

うむむ!なかなか知識がついてきた気がする!



つーーーか・・・!

違うのよ・・・!!

この1週間・・・!??

どれだけ忙しかったか・・・!!!


あんのオネェともっさり眼鏡・・・!!


めちゃくちゃ連絡してくんじゃん・・・!!



「採寸!」「夜会!?」「じゃあドレスね!?」「肌色と生地が合うか!」「ちょっと試着!」

「洞窟行ってきた」「素材採ってきた」「大きさ確認」「出来た」「例の粉入れる」



いや、もっさり眼鏡に関しては何なの?

冒険でもしてきたの?

てゆーか素材採ってきたって何…!!

いやそれはそれはもう可愛かったですよ…!!?

げろ吐くほど可愛かったですよ!?


それをまぁペリドットに見せたら、また…、

「夜会までにもう少しバリエーションを!」「コレは・・・!売れますわ・・・!!」「必ず次の夜会で顧客を捕らねば・・・」



もうこわい…!!

私こわい…!!!


明日の夜会で試作商品の宣伝で麗しの宝石達にメイクしなきゃだし?

(いや、それは正直嬉しいけど…!)

アバンギャルドなデザインのドレスも御披露目しなきゃだし…?

どちらも今後の仕事に左右するんでしょ…?


え…?

何なの…?

プレッシャーすごくね・・・??

私が大丈夫なの・・・??

え・・・???



つーことでもう諦めて今日は寝ることにした。



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