第31話 アルバイト、あれこれ。

高校生の頃に四国の塾や某ファストフードでバイトをした事は書いたが、他にも色々なバイトをしてきたので、それを書いてみようと思う。


22歳の頃、地元の某ファストフード店で働きながら、小学校の頃の同級生のMくんが誘ってくれて、錦糸町にあった日焼けサロンでも働き始めた。

Mくんとは偶然再開して以来、しばらく一緒に六本木のCLUBに踊りに行ったりしていた。

当時の六本木のCLUBには「周遊券」というシステムがあるハコがあり、周遊券の加盟店ならば何度でも出入り可能だったので、よくMくんとCLUBのハシゴをしたものだ。

その日焼けサロンは昼番と夜番の交代制だったので、僕は昼間は某ファストフード店、夜は日焼けサロン、バイトの無い時はダンスのレッスンに通う、深夜にCLUBに行く、という生活だった。

僕が入ってるシフトの昼番はいわゆるギャルで、僕が交代で行くと引継ぎもそこそこに、そそくさと帰っていった。

店内BGMはUSENで邦楽が掛かっていた。当時、よく流れていたのが安室奈美恵「CAN YOU CELEBRATE?」やB’z「Liar! Liar!」、SMAP「ダイナマイト」、globe「FACE」といった曲で、これらの曲を聴くと当時の事を想い出す。

しかし、当時の僕は邦楽よりも洋楽の方がカッコいいと思っていたので、勝手にチャンネルを変えて、HOUSEやHIPHOP、R&Bなどを掛けては、お客さんが来るまでダンスの練習をしたりしていた。

しかし、オーナーが抜き打ちで店に来た時に「BGMは邦楽じゃないとダメだよ」と釘を刺されてしまった。

バイトは閉店後に無料で日焼けマシーンを使えたので、当時の僕は人生で一番肌が黒かった(と、言っても、元々そんなに黒くなる肌質では無いので、大した事は無かったが)。

背中に彫り物がある方が来店した時の対応で、オーナーが店に来ず、僕だけで対応させられた事がキッカケで店を辞めた。


その後、レンタルビデオ店でバイトをする事になった。

レンタルビデオ店だけど、中古の漫画やゲームも扱っており、レンタルと買取なども行っていた。

レンタル品は棚番が割り振られており、新作は同じ商品が複数あるので、最初のうちはなかなかレンタル品を棚に戻すのが難しかったが、ジャンルを把握したりして慣れてしまえば非常に楽な仕事だった。

当時、髪形をドレッドにしたりして、社員には嫌がられたけど、お年を召されたお客さんにはいい目印になっており、「あのモジャモジャ頭のお兄さんに訊けば、何でも教えてくれる」と言われた時は嬉しかった。


レンタルビデオ店と同時並行して習っているダンススタジオの受付のバイトも始めた。

バイトに入っている時間帯のレッスンを無料で受けられたので、非常に有難かった。


単発のバイトも幾つかやったが、面白かったのが横浜にあった某百貨店での北海道物産展でのバイトだった。

とある地ビールのブースでバイトする事になったのだが、開店前に

「どのビールがどういう味だかわからないと、お薦め出来ないだろう」

と、ビールの試飲をしてから仕事をするという、ビール好きな僕には夢の様な仕事だった。


徐々にダンスのレッスンの代行が増えたり、自分自身のクラスが増えて来たり、ダンサーとしての仕事が増えて来るに従い、アルバイトに入れる時間が無くなり、ダンサーとしての収入だけで何とかなりそうになってきたので、ダンス一本に絞った。

それまでもダンスでお金を貰っていたので、自分はプロのダンサーだという自負はあったものの、アルバイトを辞めた時、ようやくプロになれたと思った。

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