馬車の放棄
ナギ達は一度東へ大きくそれて、とりあえず、魔人との遭遇を避ける。
そこで、3人で話し合い。馬車を放棄することにした。
馬車でなら、ゆっくり眠れるし、水や食料などの運搬も可能だ。
しかし、目立ってしまう。
ここまでマークされてしまえば、休むこともままならない。
ナギとアデラは飛行魔法が使えるので、アデラがカースを抱きしめて飛べば都までも、大幅な時間短縮が可能となる。
3人はテントと保存食、水を分担して持ち、馬は放してやり、車両は洞窟の奥へ隠した。
ここからは、基本歩きか飛行になる。
飛ぶのは見つかるのを避けるために低空飛行になるので速度は上がらない。
アデラのほうが飛行魔法は得意だが、カースを運んで飛ぶため、1日5時間くらいが限度であろう。
徒歩で8時間、飛行5時間で都を目指す。
都までは順調に進んでも、10日はかかる計算だった。
3人が寝ている間はシロが氷魔法で結界を作ってくれているので、通常の魔人であれば、それで防げるはずであった。ただ、それも今後遭遇するであろう幹部クラスの魔人の前では気休めにしかならないが。
馬車を放棄した3人が重い荷物を背負って歩いていると、上空に索敵の魔人が現れた。数は3匹。3人は茂みに身を隠してやり過ごす。
3人は身を隠す障害物の多いルートを南へと行軍した。
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