遭遇
順調に進んでいた馬車だが、11日目に魔人と遭遇した。
厄介なことに、魔人のほうが先にこちらを見つけたらしい。
馬の魔人10匹に飛行型5匹、武器を持った亜人が10人。
飛行型5匹に対しアデラが飛んで応戦する。
さすがに、1対5でアデラも苦戦する。飛行型は距離を取りつつ口から堅い物質を放つ。
アデラも避け損ねて、何か所か出血をする。
亜人は、魔人に乗っている。騎馬といった具合だ。
ナギ達は馬車を背に展開する。
カースが中央に立ち、左にイナ、右にクツナ、少し後ろにラギル、さらに後ろにナギがいる。
馬の魔人に乗った亜人が馬上から攻撃を仕掛けてくる。
カースは受け流せるが、クツナは正面から攻撃を受けてしまう。
クツナの腕が千切れた。
クツナに戻るようにカースが指示を出すが、他の亜人が剣でクツナの首を刎ねる。
Aクラスで初めての犠牲者となった。
改めて感じるが、今まで襲撃してきた魔人よりも強く、また知能も高い。
後方で指揮を執っている魔人もかなりのレベルがありそうだ。おそらく、偶然にこちらを見つけたのではなく、こちらの戦力を分析して襲撃してきたのだろう。
これが、都の魔人だろうと思えた。
イナとラギルはクツナの敵討ちとばかりに、前に出た。
しかし、敵う相手ではない。
馬に踏みつぶされて、ラギルは内臓を潰され、絶命した。
カースはイナに下がれと命じたが、既に馬の魔人に囲まれている。相手からすれば少し遊びも入っているのかもしれない。
カースが馬の魔人2匹とそれに騎乗している亜人2人を相手にしているうちに、馬の魔人7匹とそれに乗っている亜人7人がイナをなぶり殺しにかかる。
わざと致命傷にならないように、腕、足、背中、胸、腹、顔と徐々に攻撃を入れていく。
ナギは完全に魔法を放つタイミングを失っている。
イナは、もう戦意を失って目には涙まで浮かべていたが、魔人と亜人は許してくれない。
最後は、亜人が首を目がけて剣を振り、イナの首は胴体から切り離された。
イナが絶命したのは、ナギの魔法のタイミングからすれば丁度いいところだった。
強烈な雷魔法が集まっていた馬の魔人と騎乗していた亜人目がけて降り注ぐ。
魔人5匹と亜人5人をまとめて灰にした。
その間に、空中の戦いでは、アデラが風魔法を繰り出した。凄まじい暴風雨が辺り一面を覆う。
飛行していた魔人は一たまりもなく、地面に叩きつけられ、絶命する。
上空の敵はそれで片が付いた。
残りの魔人は撤退した。司令官の判断だろう。
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