第214話 後後89 異変
「もうすぐ開演でーす!!」
声が館内、外に、響く。
ーー
終演
・・・・・・
まぁ、、仕方がない。
こっちの人は、向こうの世界、というひとくくりなのだから。
だから、どの時代のどの国、なんて区分けができないのだ。
領主様なら、俺と泉さんが日本から来たので、「向こうは日本という国なのか」と思ってるかもしれない。
なので、ローマ人が来ても、変わった日本人だな?くらいに思ってしまうのかも知れない。
だから、中国人と日本人がごっちゃになってても仕方がないし、昔のノーキョーやギインシサツみたいな行動をしている連中が日本だと思われても、似たようなもんだから仕方がない、とか諦めるべきなのだ。
なのだ、仕方ないのだ、、、
でも、あの服のセンスで日本人って言われるのだけは、どーにも許せぬ、、、
で、、
内容は、、面白かったwwww
あれだ、、異世界に来ちゃっても、同じようなことしてるんだねーw凄いよねー、、、でのー、あのあとの顛末が気になるなー、、、
みんな改心してこっちに馴染んだのか、、それとも、こっちのチュー国探しに旅に出たのか、それともその土地を中国化させたのか、、もしくは捕まって、、、
まぁ、この大陸と西の大陸にそれらしきところは無かったんでよかったけど、、
あー、芝居といえば、、今度、太田さんに暴れん坊な将軍様なお話の脚本かいてーってたのんどこう。
仕事はみんなに振り分け系だな俺は♪
宿に着く前に屋台で飲み物買って部屋に帰る。
部屋で、残った串焼きと団子達をいただきまーす!
まだ腹減ってないけど腐っちゃうともったいないんで!!
で、
苦しいっちゃー、少しは苦しいかも、うつ伏せにねれないくらいには。
でも仰向けなら寝れるかなー
こんだけ腹いっぱいなので、せっかく銭湯の近くの宿にしたが、いけないw
おやふみん!
ーー
翌朝、下の音で目覚める。皆出発が早い様子?
んじゃ、と俺も服着て朝食食べに下に降りる。
が、、
おや?
皆通りに出ているみたい?
なんだろー、、
捕虜?難民?
これまた、、すげー数だな?
「ねぇねぇ、、これ、なんすか?」と目の前のおっちゃんに訊いてみる。
「おう、俺もわかんねーんだわ、、、でもさっきから延々とな、、どんだけいるんだ?」
三列縦隊になって、茶色っぽい似たような服装の成人男女、たまに子供も、、疲れ切ったように歩を進めている。
俺の馬が待っていることもあり、俺は宿を引き払い、空いている裏道を通り、市場で串焼きを数本買って食いながら領主邸に向かった。
領主邸
「ちわーっす、、」
ここもざわついている。
領主邸のすぐ近くに騎士団がある。多分、その練兵場先程の大量の難民?達が一時的に居る場所になるんじゃないかな?他に場所ないし、、
「あ、ガク様、領主様が、ガク様がいらしたら書斎に来てくださいとのことです。」執事さん
ま、馬が置きっぱなしだからまだこっちに居るってバレているよね
コンコン、「ガクです。入りまーす」ガちゃ、ぎー、、
おう、勢揃い。
領主様、グレゴリーさん、太田さん、泉さんいつの間に?、熊?いつの間に?、騎士団長、小館部隊長、領主様の側近筆頭さん。
「おう、やっと来たか、、んじゃはじめるか」領主様
「昨晩、いきなり連絡があり、引き取って欲しいと。東の大陸からの難民3千人ほど。その連絡が来たときにはもうその3千人はこっちに向かっていた。将軍様の依頼(命令ではない様子)なので、私には拒否できん。で、今朝着いた。騎士団長がどうにか練兵場に仮設の小屋を建てている。
その後、どうするか?
の考えを出してほしい」
「まず、状況確認したいです。東の大陸の。」騎士団長
「それはそうだな。まだまだ難民は増えるのか?が知りたい。そして理由だな。」
みな頷く。
「難民にリーダーはいるのですか?」俺
「うん、騎士団詰所に居る。主要なのは5人ほどな様だ。今聞き取りしているはずだ。」騎士団長
「食料等、確保できている分だけだと、2月ほどは彼らに配給できます。なので、東武領の予算を考えれば、、できれば2ヶ月後には彼らがどっかで仕事やらを始めることができるようにしてほしいところです。先の遠征で蓄えはほぼ底尽きましたからねぇ、、」
船は将軍様持ちだったからいいけど、それでも底尽いたんだ、、まぁ、、今は税金ほとんど無いのとかわらんほどに下げているらしいし。
いずみ村の賠償金支払いの件にからめ、税をさげてやりたいなぁ、、→、今潤っているので全体的に下げても問題ないですよ?→んじゃ、一時的に下げるか、、→その後、遠征
「義援金とか、募集したら?」俺、言ってみた。
「・・・いいですね、、やってみたいですね?」と筆頭氏は領主様を見る
「うーむ、、折角下げた税をまた戻すのもアレだし、、やってみるか。」領主様
「難民の行き先ですが、基本、開拓ということで良いですか?」太田さん
「ああ、それ以外になにか良い手があったらよいが、、」
「まず開拓をさせ、人材を見てみて、良いのが居たなら、そっちで働いてもらう、でいいでしょうか?」
「いずみ村と同じようなもんだな。それが一番いんじゃないか?双方に。」
「攻国方面の森、南部方面の山岳までの間の未開拓地、が、ありますね」筆頭氏
「できれば、いずみ村の近くがいんじゃねーか?うちの奴らが手助けしてやれるだろう。逆になんかしはじめたら押さえるのも容易だしな。」泉さん
「助かる、泉。んじゃ森の方で進めてくれ」領主様
小館隊に唯一引けを取らないじゃないか?と言われているいずみ部隊がいるいずみ村なのだ。
ほどなく、聞き取り調査の初報が来た。
南の浜付近で座礁した巨大木造船が、彼らの乗る船だった。
祖国に「棄てられた」と。
人口が多くなりすぎ、口減らしだと。
技術は武国より発達していて、話を聞く限り、電気まで通っている様子。
「確実に複数の外来居るな、しかも何も考えていない奴ら」と、俺と泉さんは判断。
技術をもたらした者達が、今その国を支配しているとのこと。
「乗取ったか、、、」
自動車もトラックもある。
空を飛ぶ乗り物は見たことがない。
電気は各家庭にはなく、王宮、工場、街灯で使われている。
電気を生み出す工場は、日夜もくもくと煙を吐いている。
工場が汚い水を出すので、海や川で魚が捕れなくなり、食糧事情も悪化していた。
鉱山開発が激しいので、下流の農地がダメになった。
なので、人口の3割以上を開拓民として外地に送り出す、と王族が決め、古い木造船に乗せられ、外洋まで引き出されて放置された。
何十だか何百だかわからないほどいたその船達は、食料も水もほぼ無いまま海をさまよった。中には帆布さえ装備していない船すらあった。
多分、半月ほどだが、私達の船がここに流れ着いたのは奇跡だろう、、。
俺達は、農地を失い、漁場を失った百姓と漁師ばかりだ。
開拓も養殖も漁もできる。一生懸命頑張るから、どうかよしなにお頼みいたします。
と言う事だった。
「そ~言えば、、東の浜に出たとき、魚が取れなくなった、とか言ってたよな、あそこの者達」泉さん
「ああ、いきなりとれなくなったって言っていましたねー」俺
俺続ける
「多分、その工場の汚い水ってやつかな?」俺
「あ?薄まるだろ?海なんだから」
「いや、、そーでも、、薄まることは薄まるでしょう、でも、海も川みたいに流れているので、その異変の水がまとまって流れてくるんですよ。とくに沿岸に沿って流れてくるのは、もう出来上がっているルートなんじゃないすかね?あそこいらへん」
「んじゃ、そのまま続けて魚がいないまま、なんじゃないか?」
「んー、なんか海でイレギュラーがあったとか、その工場で作るものが変わったので材料が変わった、だから毒は流さなくなった、とか、いろいろ理由は考えられます。でも、”魚がいなくなった”というのは自然現象ではあまり理由がないですね。あそこらに海底火山できたとか聞かなかったでしょ?」
「そうですね、その理由・原因は後で調べればいいことなので、話を前に進めましょう」大田さん
ではボクからいいですか?と大田さん。
1、 東の大陸のその国家を放置した場合、今後どのようなことが予測されるか?
2、 こちらの大陸側の取るべき道は?ある選択肢全て。
3、 最も効果的に、最も良い結果を得るために、どうしたらいいか?
他に、何かありますか?と皆を見回す。
うむ、、とりあえずそれで進めていってくれ、と領主様。
「今さっき、騎士団詰所からの報告を聞く限り、東の大陸のその国を支配しているのは、私と福田、そしてガクさんの居た時代の者だと思われます。(俺、頷く)
で、事態は悪い方向に向かっている結果として、今回の、難民の件と海の件が上げられます。
ガクさん、
東の大陸のその国が、今の方向でそのまま進んで行くと、どうなるでしょう?
どうなると思いますか?
あくまで予測ですので、」
と、大田さんは俺に振った。
大田さん以外の証言も、欲しいのだ。
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