第207話 後後82 偵察艦隊、村発見!


東沿岸を南下していた蒸気船を旗艦とする3隻の偵察艦隊。


幾つもの村落の残骸を発見したが、生きているモノの姿を見た試しがない。

というか、緑も少ない。

明らかに土地が痩せているとわかる程度のみ。

たまにあるのが背の低い灌木のみ。高さが人の背に満たない木しかないのは、芽を出してからそれだけ年月が立っていないのか、土地が痩せすぎて、それ以上になるとみな枯れてしまうのか。


ーーー


「えっと、、、これは、、ナニ、、かな?」船長

「ああ、癖が強くて読めませんか?えっとですね、、ごはん(麦半分)銅貨1/2、塩ごはん(麦半分)銅貨1、醤油ごはん(麦半分)銅貨1、で、こっからいきなり銅貨4枚で、バターごはん(麦半分)、白ごはん(全米)、でこっからおかずですね、、生卵銅貨1、目玉焼き銅貨1と1/2、塩卵焼き銅貨2、漬物銅貨2,味噌汁銅貨2,


「あ、悪い、そういう意味ではない、、一瞬気を失っていたかも知れない、、、。ここは、一体何屋なのだ?」船長

その説明をしてくれた船員がそのまま続ける

「えー?飯屋ですよぉー?」何がわからんのだろうか?と、彼は少し心配顔だ。


「・・・・あの、、普通の我々が行くような飯屋と違うだけじゃ、ないでしょうかね?」副官。

・・・「ああ、、それは、、理屈ではわかっているんだ、、、そう、、理屈では、、、」せんちょ


副官が改めて店内を見回すと、それなりに客が入っていた。

複数の客は顔見知りらしく、会話も聞こえる。


「おめー、今日は豪華だな?味噌汁じゃん、、」

「おう、、今朝、魚が網にかかっててな、3匹」

「大漁だな!!」


「どした、今日は全麦か?」

「ああ、もう全く木の根もねぇ、、」

「百姓は大変だなぁ、、まぁ、漬物一切れやるから栄養つけろ、、」

「すまねぇなぁ、、」



ここは、西の国に入って、初めて見つけた動く人間の居る小さな村だった。

海辺なので、幾分糧を得られて、今まで存在できてきたのだろう、だが、淘汰の結果の、生き残りの人数のはずだ。


司令部から次々と来る書簡には、陸路の方で発見された詳細が述べらてている。

ここも、こんにちに至るまで、飢餓の危機は何度もあったのだろう。人が押し寄せ続けたはずだ。

で、他が絶滅し、淘汰として残ったのが、この村の今の人数か、、、


そう思うと、船長は、この人数でも、「よく残ったもんだ、、」と、、、


まぁ、蠱毒だって最後は一匹残るし?


「さて、、どーしたもんだろか?」せんちょ

「どっかにおっつけたい、ってとこですか、、」副

・・・・・


ーー


司令部

「将軍様!沿岸で生き残りの村が見つかったそうです!!」

「・・・・・・・・まいったな、、、」将軍


あ、そーか、、

こっちにもガクの説が広まっているのだった。

ボケ神の、カスの隔離が、西の国。


ネズミみたいに増殖率激しくねーかなぁ?

病原菌媒体しているんじゃないかな?

カスが優性遺伝だったらどーしよう?(そういう知識は、ふくちゃんから?)

やっぱ、ほかの国にもってっちゃ、まずいよなぁ?


ウチで監督するために、地上にウチの砦とか築いても、そのうち少しでも豊かになったら奴らなんか悪さするだろーしなぁ、、


「船に、釣り道具とか乗っているか?あったら、それ全部おいてってやれ」将軍


将軍は悪意があったわけではない。

ひとの良い将軍である。善意のみで、奴らがより生きられるように、と思い、そう思い、そうしたのだ。



で、



「全員船に帰還!!!早く早く!!!」「いそげー!」「はやくはやく!!」「はしれー!!」

どガッツ!べきっ!!どす!がん!ぽーい!どごん!ばんばんばん!!ぱんぱんぱんぱんぱん!!!ぷぎゃ!


襲ってくる枯れ木のような村人たち

よこせぇー、、よこせぇーー、もっとよこせぇー、とうめき声を出しながら。

船員達も武器を使うのも躊躇され、腕力で跳ね返している。それで十分だが、そこそこ人数だけはいるのだこのゾンビもどき達。



「全員乗ったか?」

沖合に出た小舟3艘に問う船長。

「ひーふーみーよー・・・・・あれ?、ひーふーみーよー・・・、、、、」

「残してきたかっ?!!」

「・・・いや、、一人多いっす」副

全員恐怖!!


「いやー、あっはっはっは!ども、、私をお船につれてって♪!」

3番目、ハズレ。その3番目だけ海岸の近くに引き返し、そいつを海に放り込み、戻ってくる。


「少ないより、多いほうが怖いって、初めて知りました、、、」副

「おう、、俺もだ・・」船長



あーゆーのになんか与えると、こーなる、と初めて知った将軍様以下武国軍将兵だった。

遠くに見える浜辺では、釣り竿を巡っての奪い合い殺し合いが続いている。



顛末を聞いた司令部。

どーぢよ、、あの、、助けた数人、、、

途中、東武領軍が救助した者達も皆司令部に送られている。

全員で10人近く居る。もう皆死ぬ危機から脱出している。

今更息の根止められないしね!


南下していた船に将軍は指示をだした。

山脈部分を超えたら緑豊かな地帯に入り、ほかの国になる。そこの港に入らせてもらい、東武軍がそちらに向かうので合流するように。と。

報告によれば、東武軍はあと2カ国回れば親善は終わり、船と合流できるそうだ。


とっとと帰国したい、、と思う将軍様。

転移門があるので帰れるんだけど、一人だけ帰るなんて、今の状況ではできないのだ。

(来なくても、よかったんじゃないかなぁ、、俺、、)

今更である♪


ーー


一方、北に向かった船。

でっかい湾のでっかい港に寄港している。

船長達は?


「だっはっはっは!」

王宮。

宴会場。いや、多目的な大広間だけど、今はもう宴会場。どっかの温泉宿の社員旅行用のホテルの、その状態になっている。


メンツは、

クマゴニア連邦王国の王族や幹部達、他暇な者達。

こちらは、王族が熊人。で、兄弟やら親戚で、本家を中心に、東西に幾つかの小国に分かれている。

貨幣はこっちもどドラゴニア同様「めんどくさいんで」と共通。

国の経済が悪化したとこは、本家とか、潤っているとこが援助するので、だいたいどこも同じ程度に保たれている。

「一族は一緒だからね♪」と。

熊って、独立系なんだけど、人熊は違うんだねー。


んでもって、酒飲みってのもドラ達と一緒で、「気にしない」ってもの一緒。

なので敵対の気配がなけりゃ、「よく来たな!まぁ飲んでけ!」と拉致監禁され宴会の数日間。

司令部に連絡いれたくとも

「一人だけ働かせるのかわいそうだろう?」

と、宴会場から出させてもらえない数日間。


「もう何日たったのか、さえもわからん、、、」せんちょ

「私らもおなじでうえぇぇぇーーー」えろろろろろーーー

ぱっとオケを出し、掃除道具を持っ来る使用人達。さすが獣人ばかりの国、す早い。


でも

「人間が、こんなに酒に弱いって、初めて知ったわー、あっはっはっは!」

王様一同何がおもしろいのか。まぁ酔っぱらいはゲロが転がって面白がるからね!


それから数日後に開放された。

「また来いやー!まってるぞー!!」と言われながら、全員担架で船に運ばれた。


それから2日後、やっと動けるようになった獣人の魔法使いが、司令部宛に船長が簡単に書いた経緯のメモを送ってくれた。


司令部

「得体の知れないミミズののったくったようなものが送られてきました!!」


「暗号か?」

「農国に聞いても、日のいずる国に聞いても、わからない、そうです、、、」


まぁ仕方がないな、とそのまま将軍に見せる司令部の連中。


「・・・・・・あと、2日くらい待ってみろ、、」

流石将軍、酒飲みを知ってる。

実は将軍、字が汚い。なので、その酔い文字を少しだけ解読できた。でも立場上?そんなことあまり言ってもナンなんで、いわないほうがいいかな、いっちゃったらまた福田に叱られるかも知れないしぃ、、とか思ったので。



一応、「迎えに行く」ために、3隻派遣した。

ミイラ取りがミイラにならなければいいのだが、、



まぁ、、これで一応めどが立ったか、、

で、これらを皆逐一農国と日のいずる国と南部諸国の軍司令官に伝えているんだが、、

陸地を見たときから皆尻込みしてて、行く?と聞いても返事すらしてこない。


なので「撤収のための会議」なら出てくるだろう、、


もう西の国の王都捜索は放置し、撤収したいんで、どーだろ?と皆に問うてみようと将軍様は心に固く決めました。

うちは撤収、もっとなんかしたい部隊があればやれば?うちは支援してあげるけど、、行かないよ?って。

そうすりゃ、オレやっとここから離れられる!もーどこでもいい、、ここからはなれるんだったら!!


でも、救助したこの西の国の人たちを忘れてるよ?どーするのよ?

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