第82話 後−9 熊の毛皮のポンチョがほしい にくきゅうのためにトリミング


数日、子供部隊方式でやった。勘がいいのか?新兵で先入観とか無いのがいいのか?なぜか覚えが良かった。

好き勝手に探して、誰かが見つけたら皆で加勢し倒し、次をまた好き勝手に見つけ、、

はぐれる者はいなかった。誰かが目標を定めると、もう皆にその意識が行き渡っていた。


「ただ、この方式になれたら、従来の軍のやり方はできなくなる。」泉

・・・・・

「・・今更?、、最初に言えよー、、」ゲルセイ


「でも斥候とかに使ってみ?結局人狼部隊って斥候か単独強襲くらいだろ?ひとの兵士と一緒になんか、強さの差がありすぎて意味ねーもんなぁ?」泉


「んまぁ、そーだけどさ」


「試しに熊人の偉いのに見せてみ?熊、こーゆーの喜びそうな習性だろ?」

言われてみりゃそーかもなー、いいかもなー、とかブツブツ言うゲルセイ。


で、


訓練終わったら、やっと泉さんの幕だ。


よし、俺の時間だ!と泉さん。

「倒したら呼ぶから回収してなーーーー」

声がどんどん遠くになる


「えれぇ飛ばしているな、、あれで見っかるの?」ゲルセイ

「さあ?一緒に狩りとかあまりしないんでー」俺

ああ、強さに差があるんだな、と哀れみの目で俺を見ないでもいいですけども?


「おーい!!ここだからなーー!!」

すざざざざざざざざーー、新兵が駆けつける。


そのときにはもう泉さんはそこにはいない。どっかで剣と鈍い音がする。もう見つけてるのだ。

臭いたどるんだとそのスピードにはなりえないよな?

「どーやってみっけてるんだろ?」俺

「・・・思いも寄らない方法なんだろうな、、」ゲルセイ

うんうん言う新兵達



結局今日でここらへんに縄張り持っている熊を全滅させてるんじゃねーかな?

人狼新兵も10頭は狩ってたし、泉さんもその倍ほど狩ってやっと満足したし。


獲物はすべて新兵が街まで運んでくれた。

「最後の運搬が一番訓練らしかったかな?」ゲルセイ

訓練らしいというのは、やらされる者達がいやいややって苦労することらしい。

非効率な訓練だなwwと泉さんが言ったが、

「え?俺らの時代はそればっかっすよ?」俺

・・・・日本、終わったな、お前らの時代で、、、ポツリと泉さん。


「「楽しんでやってたら訓練じゃない!」とか言う者しかいないですよ?それが常識でしたよ?」


「いやいややるのと率先してやりたがるんでは効果が何倍も違うわ!!!」泉

「それさえも、”気のせいだ!”とか言ってましたよ?」俺

「それこそ気のせいか妄想か言い訳か言い逃れでしかないわ!!ろくでもない訓練しかできないドアホウのっつ!!」泉


「俺も泉殿が言っていることが正しいと思うぞ?論理的に考えればな。」ゲルセイ


「泉さんの時代の50年後くらいの日本の軍隊では、完全にそれでしたね、思いっきり苦労させる訓練のみ」俺

うっわぁーー、と、泉、ゲルセイ、新兵達


うさぎ跳びとか空気椅子とか説明したら

「原始時代?力士と剣士は使う部分が違うんだぞ?余計な部分を鍛えたら足引っ張るだけだろ?バカでも子供でもわかるだろ?」

泉さんの言葉にうんうんとゲルセイ


「いや、俺はなんとなく違うんじゃないかな?とか思ってたけど、言ったって聞く奴等じゃないし、逆に攻撃されるだろうから」言い訳言う俺、だけどそーだよな?


「・・・多分、お前の日本と俺の日本って、違う世界だわ、、、絶対だわ、、」泉さん


そう思いたいよな?江戸以前の者達は。


だって、飛脚に敵うマラソンランナーなんてケニア中さがしたっていないだろうし、江戸期まではそれなりな部分はそれなりに世界でも秀でているくらいだったというからなー。


「そういえば、、苦労しないと身につかないとか言ってたかな?」俺

「苦労の種類が違う。身につけるための苦労はそれじゃない。いたぶるだけの苦労だわお前の日本のそれは」断定泉w

「そのくらいの違いもわからんのだから、もー、もし俺がソコに居ても、どーしょーも無い、って判断したかもな」

「でしょう?」やっと少しわかってもらえた俺ww


「わけわからんネガティブ世界のことはそこらへんにしておきましょう、頭痛くなってきたから、、」ゲルセイ





熊肉は商業組合に持ってって買ってもらった。毛皮は2枚だけ俺らが残した。防寒着だ。泉さんのは頭にリボンをいくつか付けておけば本物と勘違いされない。俺のはどーしよ?旗でも立てる?フラグかよw

いや、まじで熊毛皮そのものをフード付きポンチョみたいにかぶると、最強!皮を通しての寒さは無い。足元からはくるけどね。なので熊の手足の毛皮でブーツを作ってもらうことになった。


「俺らは熊ほど頑丈じゃないけど本物の毛皮だからな♪」ゲルセイ達

うらやましい、、


「冬、雪の中とか寒くないの?」

「肉球が一部、、あと尻尾?」

おう!かわいそうなにくきゅう!!尻尾!!!


そうだ、

「かわいそうなので、ゲルセイたちに夕食後トリミングしてあげよう!風呂入って毛並み整えてきてなー」

変態して風呂に入るとちょっと叱られる風呂もあるけど、でも大体おk。特に人狼は国を守ってくれていると皆知っているんで。

だそうだ。


「夕食後はそのまま飲むんじゃねーのか?」いずみん

「・・・・トリミングって?」ゲルセイ

「毛並みモフ☆モフって聞いたこと無い?」

「ああ、モフ神様ってやつだな?」

「まぁそう。そうなる。」

「・・今まで見たこと無いからわからんなぁ」

「まぁ、一度やってもらえ、よくわかるぞ?」泉

なんか楽しそうに、黒い顔しているな泉さん。




結果

「まぁ!!これがわたくし?!!」

とか。

みにくいアヒルの子って童話あったよな?。

ああ、アヒルが白鳥に食われちまう話だったっけ?。

ああ、それっくらいこえーな?この変化。

まぁ、、こんだけさっぱり気持ちよくなっちまったら、、泥に伏せるとかしたくはねーな?。

ああ、軍やめてホストとかにでも成るか?

「あほう!!やめれっつ!!!」ゲルセイ


「まぁまぁ、、人狼軍にもモフ神さまの祠作って教えを守れば、この程度のモフなら仲間内でのトリミングで十分だぞ?」

何気に信者増やそうと、泉


「そー、なの?まじ?ほんと?」ゲルセイ

「ええ、かなり(程度)低めのトリミングだから今回のは。本気だと数日かかるし、食事もきっちり毛艶のためにのみの食事になるし、、」

まじかよ?。

結婚式前3ヶ月の女みたいだな?。

ああ、こえー、なんか改造されそう。

コルセットはめるために一ヶ月くらい水飲みの生活とかってんだろ?ガリるじゃん、、。

でも、、そのモフ、見てみたい、かな?

・・・・・・・・・・・・・・・・・

「いや、だからすぐにはできないから。実物見たいなら、、武国王都の小館隊に行くか、東武領に来てくれりゃ子供隊もいるし、、あそこに一ヶ月滞在すりゃ、それこそ見違えるほどになるけど?」

隊員達、ゲルセイにすがる目!!

「・・・・わーった!今度申請して見るから!!おまえらの闘い方が認められたら多分通るから!!お前ら次第だぞ!!」

うわー、うめーなー、ゲルセイ、、

泉さんもジトメでゲルセイを見ている。

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