ペンネームを変えた話

このエッセイの一番最初の自己紹介では、自分のことを「宇佐美 姫呂」と名乗っている。だが、この名前はもう使っていない。ペンネームを変えたからだ。新しいペンネームは「ウヒロイド」という。


以前のペンネームも気に入っていたのだが、どこか硬い感じがあったのは否めなかった。もっとシンプルで、わかりやすく、記憶に残りやすい名前にしたいと思った。それがペンネーム変更の大きな理由だ。


ペンネームの変更に際して、ファーストネームとファミリーネームの概念は取り払った。この区別は現実の社会では必要かもしれないが、創作活動のうえで必要なものではないだろう。


どこで読んだか忘れたが、思想家のシオランは、フルネームのエミール・シオランではなく、ただシオランと呼ばれることを好んだという。私も、ただひとつの名前で呼ばれることを望む。


そういうわけで、私のペンネームは「ウヒロイド」になった。だから、このエッセイの最初に書いてあることで、名前に関する部分はもはや変わっている。


しかし、それ以外は変わらない。自分が置かれている現状も、やることも、変わりはしない。少しでも人生という山を登っていくだけだ。

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