040 首吊り

 アパートの部屋で首にロープをかけていると窓の外に煙が見え始めた。

 どうも下の階で火事が起きたようだ。

 こういう決心をした時に限って邪魔が入る。

 が、今更俺がどうこうする訳にもいかない。

 俺は煙をぼんやりと眺めながら椅子を蹴り飛ばした。



 結局あの日の事は自殺で処理されたらしい。

 火事もすぐ鎮火したそうだ。

 俺は安堵し、読んでいた新聞をテーブルの上に放り投げた。

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