バレンタイン

良子 「吉川くん! 今日は何の日か知ってる?」


吉川 「あ、あぁ。あれね」


良子 「わからないの? もう、鈍感なんだから!」


吉川 「いや、わかるよ」


良子 「じゃぁ第二ヒントね」


吉川 「第一を出してもらった覚えがないんだけど……」


良子 「ヒント、豆まき」


吉川 「いや、違うよ? 節分じゃないよ?」


良子 「ブブー! ここまで言ってもわからないかなぁ」


吉川 「いや、わかってるって」


良子 「次のヒントね。この日にちなんだモノマネをします」


吉川 「なんてリアクションしづらいヒントなんだ」


良子 「ダイダ。ハツシバ~! カモン! アイライクロッテ!」


吉川 「バレンタイン監督か。答えに見当がつくからいいけど、似てる似てないの問題じゃない」


良子 「ブブー。初芝のモノマネでした」


吉川 「外人なまりじゃん! だいたい初芝のどこがヒントなんだ」


良子 「ダイビングチャーンス!」


吉川 「そんな危険そうなチャンスはいらない」


良子 「ここで正解すると二階級特進でーす」


吉川 「殉職させられるのか」


良子 「この日は、黒くて甘くて食べると死ぬものを貰えます!」


吉川 「いや、普通は食べても死なないもの貰うよ。え? 俺殺されるの?」


良子 「さぁ、正解を400文字以内で答えてください!」


吉川 「小論文みたいだな。え~と。バレンタイン」


良子 「ピンポンピンポンピンポコ!」


吉川 「ピンポコ?」


良子 「正解した吉川くんには良子特製の水羊羹をプレゼントー!」


吉川 「え……。水羊羹なの?」


良子 「手作りだよ」


吉川 「いや、黒くて甘いけど。これだけ?」


良子 「なにそれ!? 不服なの? ごうつくじじい!」


吉川 「じじいて。なんか普通のとかちょっと期待してたのに」


良子 「なによ!? 普通のって!?」


吉川 「こう……チョコ的な……」


良子 「よくみて、卵型の羊羹を割ると中から!」


吉川 「ミニおもちゃがでてきた」


良子 「嬉しいギミック付きだよ」


吉川 「猪口才チョコざいな」



暗転

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