第2話

「あの」


「ごめんなさい。私が、頼んだんです。ここの人たちに」


「何を、ですか?」


「あなたに、会えるように、って。会ったこともない人と、その」


「もしかして」


「いいえ」


「えっ」


「初対面で、いたいんです。おねがいします。名前も、来歴も、訊かないでください」


「それは、つまり、僕の来歴も、言わなくていいって、ことですか?」


「はい。聞きません」


「そう、ですか」


うまく言えないけど、はっきり分かってしまったことがある。


たぶん。


運命の出会い。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る