第117話 素材を集めよう4 ☆
およそ二時間を掛けてアースオリックスから、『伝説のレシピ』素材の一つである変色した土を奪い取った。
初戦での苦戦が嘘のように快勝を重ねる事、83回。ドロップ率が低いからレアなのだが、何ともRPGらしい作業だった。
こんなにも楽にオリックス狩りが出来たのは、ゴブリンゾンビの尊い犠牲と【大鎌術】の新しいアーツ、パワースラッシュの性能あっての事だ。
性能と言ってもパワースラッシュは通常の大鎌による攻撃ダメージに比べて、1.7倍のダメージを相手に与える。これだけ聞くと良くあるMMOのスキルだな程度の認識しか湧いてこないが、VRである事を思い出して欲しい。
つまり、好きな角度からの切り付けにアーツを合わせて使うことが出来るのだ。
もう少し詳しく説明すると、パワースラッシュは名前の通り斬撃での攻撃を行うアーツだ。アーツを発動したからと言って、体の自由が奪われる様なアシスト機能はこのゲームには実装されていない。だからパワースラッシュを発動させても、自由に動くことが出来る。
止めの一撃に通常攻撃のバリエーションとして織り交ぜるなど、 一撃当てれば効果を終了する単発式である以外は、欠点の無い扱いやすいアーツなのである。
伝説のレシピ ランク20
臭い水 1/1
変色した土 1/1
色あせた灰 1/1
風の残滓 0/1
統括者の鋼 0/1
「あ、レベル上がってる」
やっぱりアースオリックスの気分転換に、ハーレムを形成していたファイヤーゼブラを殲滅したのが良かったのかもしれない。
ギルドで見た情報にもファイヤーゼブラは、平均的に雄一頭、雌四頭のハーレムを形成するって書いてあった。これは範囲攻撃を練習する為に配置されたんだなと、イベントで活躍した魔法コンボで、群れごと撃破。数度繰り返したらレアドロップを落としたので、経験値と合わせて二度美味しい獲物だった。
楓が言っていたレベル上げ丁度良いモンスターって、ファイヤーゼブラの事だったのかもな。
「もうレベル18か、進化はまだ来ないか」
もしかしたら掲示板で話題の進化しないハズレ種族なのだろうか?
「最近忘れがちだけど、俺って後衛職なのよね」
折角体を自由に動かせるVR世界なのだから、自分の
まぁ、俺の場合は魔法が基本の後衛職がベースだ。
精神が筋力より低いのは、納得がいかない。MPよりHPの方が高いのも、後衛職として考えたら心もとない。それに種族がらHPがあっても、夜や日陰以外は余り意味がない。
名前 ジン
性別 男
種族 夜郷族Lv18
職業 死霊使いLv18
HP 161
MP 125
筋力 31+15(46)
体力 30+19(49)
器用 27+9(36)
精神 30+9(39)
知力 30+7(37)
俊敏 28+3(31)
運 31
種族ポイント 0
スキルポイント 40
グリモワール 収録の魔道書 (グロノス)
武器1 フィルカーズ・サイス
武器2 ピーターの杖
頭
胴 グランブルアーマー
腕 グランブルガントレット
腰 旅人のポーチ
足 グランブルレガース
靴 旅人の靴
アクセサリー 旅人のマント
アクセサリー 地竜の腕輪
アクセサリー
所持金 12870コル
スキル
武器スキル 【大鎌術Lv11】【杖術Lv3】
魔法スキル 【風魔法Lv6】【土魔法Lv5】【闇魔法Lv10】【呪魔法Lv6】
【下僕召喚Lv9】【召喚魔法Lv5】
生産スキル 【鍛冶Lv3】【木工Lv2】【調薬Lv1】【皮革Lv1】
【調理Lv1】【道具Lv1】【裁縫Lv1】
補助スキル 【魔書術Lv9】【採取Lv1】【採掘Lv1】【伐採Lv1】
【鑑定Lv4】【識別Lv5】【召喚Lv2】【罠Lv2】
【幸運Lv4】【剛力Lv4】【巧みLv4】【速足Lv4】
【気配察知Lv5】【魔力察知Lv4】
固有スキル 【有形無形Lv7】
称号『始原の魔道』『絶望を乗り越えし者』『ゴブリンキラー』『漫才師の勲章』
『恐怖を知る者』
収録の魔道書
名称 グロノス
階級 第86中階位
タイプ 万能
能力 【コレクションカードLv4】【カード化】【魔物図鑑】【解体】
【召喚魔法】【販売】
これかのステータスに思いを馳せながら、精神と運に割り振った。
レベルが上がる頃にはスキルも上がる。戦闘に使用していた【大鎌】や魔法関連だけでなく、今回は補助スキルの上昇率が凄まじい。ステータス補助系統のスキルが久しぶりに上昇したのもそうだが、戦ってたモンスターが魔法攻撃を行うお陰で、【魔力察知】も上昇した。
ドロップアイテムの確認を繰り返していたら、鑑定もレベルアップした。識別も同様である。
「次の獲物は…っと」
素材の『風の残滓』って名前と、これまでクエストの素材をドロップしたモンスターのパターンから考えるに次の相手は、トライデントエアービートル。
♪
トライデントエアービートルは三又の槍のような頑強な角を持ち、名前の指す通り風属性の魔法を操る。それだけでも厄介な相手だがビートルの名で察せられる通り、奴の背中には羽根があり飛行能力を有しているのだ。
その強さは地竜には及ばない物のランク15。
「カブトムシだから小さいのかと思ったら、これは…」
縦と横のサイズを計れば、二メートルはありそうな巨大なカブトムシ。唯の体当たりでも二階建ての一軒家なら軽々破壊しそうだ。
「っ!」
識別を掛け情報が表示されたと思った瞬間、飛来した風魔法によりHPが全損する。
≪キャラクターが死亡しました。蘇生の代価により、所得経験値を没収し一時間スキルが使用不能になります≫
「なんだぁ、また来たのか?」
「…ここは」
インフォがあったのだ。場所の察しぐらいはつく。
「分かってて聞いてるだろ。ったく、ここはギルドの医療施設だ」
「アーロック近郊にいた筈だが…」
「医療施設はオーブを利用した亜空間にあるんでな。しかし、今回は戦闘で負けたみたいじゃねぇか」
識別を感知されて、魔法で一発KOだから戦闘と言って良い物かどうか。
「…ああ」
「最近の宿主どもは、無茶ばかりしやがるからなぁ」
「俺の他にも?」
「そら、毎日たくさんな」
他のプレイヤーも何度か死に戻ってるのか。
「一度聞いてみたかったんだが、何でオメェさんら最近の宿主はグリモワールを強化しねぇんだ?」
「は?」
グリモワールの強化とは何だ?
ページを増やす事だろうか?
「ページなら見つけ次第、取り込んでいるが…強化?」
「…あー、まさか強化の存在自体知らないとか?」
魔導書ページ以外にグリモワールの強化をする方法があるのか!?
「その話…じっくりと聞かせてもらおうか」
何、時間ならデスペナの所為でたっぷりと有る。
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