第8話 邸の怪


邸の怪

「にゃ〜ん、にゃ〜ん、にゃ〜ん・・」

「あら?野良ちゃん?餌でも欲しがっているのかしら、窓の外?」

・・・・・

この部屋は2階です。女子部屋にベランダはありません。防犯上、窓の外にネコが歩けるような出っ張りなど勿論ないです。

座ってて、頭が二階の窓らへんにくるちょっと大きめのお猫様がおりました。2トンくらいありそう、、

「・・えっと、煮干し食べる?・・」ポケットから煮干しの尻尾をつまんで差し出す。冒険者はポケットに干し肉とか煮干しを備えています。

そのでっかい口に煮干しは小さすぎるのだが、にゃんこはおちょぼ口になって煮干しをちゅっとそっと吸い込んだ。くわえるほどの大きさがなかったから。

「にゃ〜〜」と言って、ネコはふわっと音もなく塀の外に出ていった。



引っ越しパーティーの時、山さんがじっと見ていた二階右側正面の部屋の窓。

日が暮れてから一人帰ってきた神田の視界に、その窓から小さな灯りが見えた。特に気にしなかった。

食事が終わって皆くつろいでいるときに、神田は思い出した。

「そう言えば、食事の支度している頃、誰か正面の客間に入ってた?」

皆が見回す、誰も何も言わない。

「・・・いや、、何でもなかったから、、、」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


ギルドの訓練流量時、ギルマスが俺に

「神山、ちょっといいか?お前だけ、、、」

ギルマスルームwに呼ばれた。

「お前ら家買ったろ?どうだ?居心地とか、、」

とか?とかってなんだろう?

「??まぁ、居心地はいいっすけど、、改装がよかったんで、、、」

「そうか、、」

歯がゆい、なんか言いたそうなんだが、言えない、みたいな、、乙女か!!!

「なんかあるんすか?教えてくださいよ、だいじょぶだから、、、」

「そうか、、いや、別になんか危ないとかそういうんじゃないはずなんだが、、」

をーい、、、、ききたくないかもーーーー

ごくりんこっ!

「・・最初の持ち主がな、ちょっと変わった奴でなー、・・・・・・・」

じらすなよ、、でも、ごくりんこっつ!!

「へんな研究?」

疑問形!!!

「してたんだよ、、で、いつの間にか誰もいなくなっていた、、、ずっと放置してたんだが、なんか怪しい雰囲気って隣近所が騒ぎ始めてな、ほら、あそこいら金持ち住宅街だろ?うるせーんだよ、、」


確かに俺達が道をトボトボ歩くのが浮いている感じがするほどだけど、、あそこら皆馬車とかだからなー、制服着た従業員っぽいのしか歩いていないもんな、しかもそれもタマーにだし、、

「で、領主が一応接収したんだよ、持ち主が出てきたら金で返そうってことにして。 で、競売に掛けて売った」

「はいわかりましたっ!それからなんか出るんですね?でもだいじょぶ!!今のとこ何も出ていません!!多分俺らにびびって出ていったんです!!」

俺は拳を握りしめながら強く言った!!


「・・・・・・・まぁ、、食い物とか減っていないか?」

へ?考えたこともなかった、、、減ってるのかな?

「まぁ!今まで問題という問題は起きたことがなかった、なんか不思議?な感じ程度しかなく、それが嫌で今までの持ち主は皆、あの邸売っぱらってたんだけどな。多分大丈夫だろうっ!!」

なんかギルマスも無理やり強く言い切った。


「一応、他のみんなには内緒に願います、、、特に女子達には、、、」

「おう、だよなぁ、、勿論だとも、、、」



「神田、わりぃ、これから食料の数ちぇっくしておいて、夜寝る前と朝飯前に、」

「え?・・なんで?」 怖がるなよ、、勘が良いやつだなぁ、、

「なんか小人さんとか鼠とか、最近ここらで出ているみたいで、ほら大げさにすると女子たち怖がるから、内緒で頼むよ、、、」


結局、少食のひと1−2人の一食分程度、が毎晩減っている様子。

神田曰く「ねずみじゃねーよ、小人だろうな、あんだけきっちりほぼ同じ量だもんなー、他のものに手も付けず」

鼠なら他のもんの袋くらいかじるだろ?と。

量が少ないので「神の取り分」としよう!!ということで収めた。



怖いもの見たさ

正面の客間のテーブルに、寝る前に紅茶(っぽい何か)と自家製クッキーをお盆に乗せて置いた。

翌朝、きれいになくなっていた。


どうしよう?神田に言う?

保留。




カコーン、、

「あ、ごめん誰か入っているのか!!」

あせって脱衣所から飛び出す山田。

居間で皆くつろいでいるところに戻ってきた山田が、居間を見渡す、、、

「あれ?今誰か風呂に入ってなかった?」


「・・・怖いこと言わないのっ!!山田くんっ!!!」小田がびびりながら怒る。

「小人さんだろ?大丈夫だよ」とのんきに言う神田

「「「は?こびとさん??」」」

「靴屋の小人ってしらん?あーいうのがいるんだよこっちの世界には」

「「「へぇ、、、」」」


神田GJ!!!久々の超ヒットじゃねーか!!!

ひやひやもんだった俺はど安心した。

でも、

どうにかしないといけないのかな?正体だけでも、、

と、思い出した、引っ越しパーティの時、山さんがじっとあの部屋を見ていたのを!!

あんときは、「歯にすじ肉かなにか挟まったのかな?」とか思っただけだったのだ。




翌日。おれは朝っぱらから、つか朝だと怖くないからwうさぎと角イノ亭に走った!走ると怖くないからっ!!

やまさんはいた!!


「で、これこれこういうわけで、山さんに相談に乗ってもらいたく、、、」

「それそれそういうわけか、、大変だな家を買うというのも。だが、問題ないと思うぞ?あれは特になんというものでもない、、精霊みたいなもんだと思っておけばいい」

おもっておけばいい?、、、、いやいや怖いでしょ、、、


「精霊の類って、食事とかするんですか?」

「んーー、よく知らんが、、あまり聞いたこと無いなぁ、、つか、お菓子とかは食べるらしいな、好きみたいだぞ?」

「ほう!唐辛子せんべいとかあげたらどうでしょうかね?」

「呪われるんじゃないかな?そういうことすると」

「甘いものが好き、と、、、・・・ご利益とかあるんすかね?」

「家を守ってくれるんじゃないかな?」

「それはいいですねー」

・・・・・

「で、うちに、泊まりに来ません?山さんチームの皆で、、」

「遠慮しとく」「いや、まじ困ったら手伝うからさ!!だいじょぶだよだいじょーぶっつ!!お、こんな時間だ、もう行かなきゃ!!」

やまさん腕見ても腕時計とかないじゃん、、つーか、この世界に腕時計ないんですがっ!!!あのひとも向こうから来たのかっつ!!!!


なんか、もしかしたら、この世界の全員、向こうから来たか、その子孫じゃねーの??

神様、、、なんか言え、、、

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