世界のおわりにみた夢。

羽鳥(眞城白歌)

(紡ぐバトン)死は永久の安寧にあらず。


 貴方が思う通りに言葉を繋いでいってください。

 明るくするも暗くするも貴方次第。


 さあ、どうぞ。



叱咤しったの声と苦悶くもんの声’

 てたはずのソレは耳の奥に貼りついて、今でも私を責め立てる。


はかりに掛けた私の命と貴方の命’

 じぶんえらんでしまった私は、後悔などできないよね。


‘時は既に彼らを残して’

 無情に不変なことわりのごと、通り過ぎたら帰らない。


 亡霊の‘笑い声は黄泉よみへと続く’道標。


 白く崩れた瓦礫がれきの街で、

 ‘喉が裂けても声が枯れても’歌を望んだ貴方には、その声がこえていたの?


‘案じられる事は嫌いだよと’

 作り物めいて笑った顔を、おぼえてる。


 私に記憶を託し旅立った貴方は、世界のはてを見つけられたのかな。


 亡霊の悪夢から‘ねずみは逃げる、逃げる、逃げる’それ以外にすべを知らず。

 追う側に回ればきっと、私はあの場所を救えたのでしょう。


‘命絶えるの時こそ’

 彼らはようやく気づくの、そのはかなさと大切さに。


‘担うべき暗黒の未来’

 私一人でいだけばよかった、だなんて、言わないで。


 本当は‘愛なんて羽根の様に軽い’モノ。

 私だって、この翼千切ちぎって覆いたかった――悪い夢など見せないように。


‘楽園には犠牲がツキモノ’

 彼のささやきはたぶん真実で、それでいいとずっと、思ってたの。


 だけれど、私はもう。


‘ずるずると深みへちていく’

 そんな絶望はイラナイと、決めたから。


‘死は永久の安寧あんねいにあらず。

 ならば何こそが永久なのか、貴方はご存じですか?’


 答えを知った今ならば、私はもう迷わない。


 ねぇ。終われない巡りあわせなら、――ソレを探しに一緒に行こう?





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 ブログ全盛期に流行った、『バトン』というお題回しです。懐かしく覚えている方もいるのではないでしょうか。


 ↓お題

 ・叱咤の声と苦悶の声

 ・秤に掛けた私の命と貴方の命

 ・時は既に彼らを残して

 ・笑い声は黄泉へと続く

 ・喉が裂けても声が枯れても

 ・案じられる事は嫌いだよと

 ・鼠は逃げる、逃げる、逃げる

 ・命絶える其の時こそ

 ・担うべき暗黒の未来

 ・愛なんて羽根の様に軽い

 ・楽園には犠牲がツキモノ

 ・ずるずると深みへ墜ちていく

 ・死は永久の安寧にあらず。ならば何こそが永久なのか、貴方はご存じですか?


 ※私はそうしてみたというだけで、全部をつなげる必要はありません。



 ↓バトン倉庫

 http://mblg.tv/btn/view?id=35050

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