第391話 廃業の医家の看板白木槿 

 

 

 ぶらぶらと街を散策していると、ときどき空き家が目につきます。🏢


 なかには「◇△医院」の看板がかかる古めかしい洋館もあり、かつては近所の患者でにぎわっていたと思われる、たいていは内科の開業医が、跡継ぎのない現在は、錆びた郵便受けにチラシがねじこまれ、荒れた庭に木槿の花が清らかに咲いています。


 栄枯盛衰と言ってしまうにはあまりにもの寂しい風景に、ときどき出会います。❀

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