第199話 文鳥の帰り来る窓うららけし


 

 

 

 そのむかし、ピーとヨウシと名づけたつがいの文鳥を飼っていました。

 ご拝察のとおり、先住鳥のピーが女子で、あとから来たヨウシが男子です。

 

 

                 🐤🐤

 

 

 ある日、掃除のために開けた窓から、夫婦ともに外へ逃げ出してしまいました。

 駕籠の鳥があんなにと驚くほど飛んで、たちまち見えなくなってしまいました。

 翌日もその翌日も、開け放った窓から一日中、2羽の名前を呼びつづけました。

 

 

               (´;ω;`)ウゥゥ

 

 

 3日目ぐらいだったでしょうか、さすがにもう諦めようと思いかけたとき、曇り空のかなたからこちらに向かって、まっしぐらにふたつのつぶてが飛んで来ました。

 それがピー&ヨウシと分かったときの歓喜を、どう説明すればいいでしょうか。


 夫婦の文鳥が寿命を全うすると、アパートの庭に穴を掘って埋めてやりました。

 小さなお墓にアイスクリームの棒を立ててくれたのは隣室の幼い女の子でした。

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